【ブログ】不完全履行

2017-02-24

 

 こんにちは。東京都千代田区神田にある法律事務所,アトラス総合法律事務所の佐々木です。

 今日は前回に続いて,債務不履行の類型の1つである不完全履行について書きたいと思います。

 1 不完全履行とは

 不完全履行とは,文字通り,履行が完全ではない状態のことをいいます。前回お話しした履行遅滞は,履行がされていない状態でした。不完全履行の場合は,履行が一応されているけども,「債務の本旨に従った履行」とはいえない,債権者が望んだ結果の実現に至っていない状態のことをいいます。

 2 日常生活の例

 例えば,ワインを10本注文したら,そのうち2本に異物が混入していた場合とかですね。この場合,ワインの注文者(債権者)としては通常,異物の混入していないワインを望みますよね。そういう意味で,確かにワイン10本は届いたけども(債務の履行はされたけども),その履行は債権者が望む履行ではない(債務の本旨に従っていない)ことになります。

 他には,車の修理工場に,エンジンオイルとバッテリーとタイヤの交換を依頼したら,バッテリーとタイヤは交換されていたが,エンジンオイルは交換されていなかった,とかも不完全履行の一例です。

 3 ラーメンの例

 前回に引き続き,ラーメンで例えてみたいと思います。

 ラーメンを頼んだところ,ラーメンが運ばれてきた。しかし店員の作業が雑で,テーブルにラーメンを置く際に,スープが注文者の服にかかってしまった。

 → これは,ラーメン自体は運ばれてきており,債務の履行は一応されています。しかし,私たち日本人の感覚としては,店員にはラーメンを出す債務と一緒に,こぼしてはいけないという債務(付随義務)があると考えることができます。その意味では,今回のラーメンを出す債務は不完全な履行内容といえます。

 4  このように何を契約の目的(債務の本旨)とするかによって,求められる履行の内容は違ってくるのです。

 次回は,債務不履行の1類型,履行不能について書いていきます。

 

 

 

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