【ブログ】債務不履行に対する対処法

2017-03-06

 

 こんにちは。東京都千代田区神田にある法律事務所,アトラス総合法律事務所の佐々木です。

 今回は,前回までにお話した,履行遅滞,不完全履行,履行不能という債務不履行になったときに,債権者はどのようなことができるのか,といった点を説明します。

 債務不履行の状態は,債務者の帰責事由(不履行について債務者に悪いと言えるような事情のこと)があることが前提になっています。債権者としては,相手の事情で履行がされなかったのですから,債務不履行の状態を何とかしたいですよね。民法は,その手段をいくつか用意しています。

 1 履行請求(414条)

 まず,債権者は,なおも債務の本旨に従った履行をせよ,と債務者に言えます。

 例えば,履行遅滞のところで出した事例Cで,麺固めのラーメンを頼んだけど麺が柔らかいラーメンが来た場合に,注文者としてはなお麺固めのラーメンを出してくれと店に言えます。

 しかし,それでも履行がされない場合には,裁判所に強制的な履行を求めることができます。この手段については,次回,書いていきます。

 2 損害賠償請求(民法415条)

 債権者は債務者に対し,債務が履行されなかったことよって生じた損害を賠償せよ,といえます。

 例えば,家を買う契約を結んでいたのに,約束した日に家が引き渡されないというような場合,買主は当該家を引き渡されるまで,他に家を借りなければならないかもしれません。

 また,以前書いた,ラーメンを頼んだらスープが服にかかってしまった場合に,服のクリーニング代が損害といえる可能性があります。

 この場合の賃料やクリーニング代のように,債務が履行されないことによって債権者に損害が発生することがあり,賠償請求権を債権者に認めています。

 3 契約解除(民法540条以下)

 また,損害賠償とは別に,契約の解除ができます。債務の本旨に従った履行が望めない場合に,いつまでも契約の下で債務の履行を待たなければならない,となると,債権者は権利が実現されませんし,損害がその間拡大することも考えられます。

 そこで,民法は契約を解除することで,契約前の状態にいわば巻き戻すことを認めました(545条1項本文)。

 ラーメン出てこないから契約解除するね,だからお金返してもらうよ,とできることで契約前の状態に戻せることになります。

 

 債務不履行の対処として,これらの各手段が債権者には認められています。次回は,債権者が裁判所に履行の強制を求める手段について書いていきます。

 

 

 

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