【ブログ】典型契約⑤

2019-03-29

 こんにちは。東京都千代田区神田にある法律事務所,アトラス総合法律事務所の佐々木です。前回までの私のブログでは,典型契約のうち,贈与,売買,交換という財産権の移転を伴ういわゆる移転型の契約類型を説明してきました。今日からは,別の類型である利用型の典型契約を説明していきます。

民法が定める典型契約には「何らかの物の利用を目的とする」契約類型があり,消費貸借(民法587条),使用貸借(593条),賃貸借(601条)があります。いずれも,貸す,借りる,という漢字がありますね。今日は消費貸借をみていきます。

民法587条をみると,「当事者の一方が種類,品質及び数量の同じ物をもって返還することを約して相手方から金銭その他のものを受け取ること」によって消費貸借契約の効力が生じるとあります。
同じ種類,同じ品質の物を同じ数量で返す約束の下で目的の物を受け取るということですね。代表的なものとしてはお金の貸し借りが挙げられますが,民法の条文によれば「物」が対象なので,消費貸借契約の対象は金銭に限られません。

ラーメン屋の例でいえば・・・
A君とA君の友人B君は,ラーメン屋に行きました。A君はラーメンと餃子とビールのセットを頼み,B君はビールとラーメンのセットを頼みましたが餃子は財布と相談した結果,我慢しました。
しかし,ビールと餃子とラーメンを一緒に食べることに最高の幸せを感じるB君は,A君が餃子を食べているのを見て,とてつもなく餃子を食べたい衝動に駆られました。
そこでB君はA君に対し,「餃子を1つくれないか,今度この店に一緒に来たときに1つ返すから。」と言い,A君は「わかった,はい。」と言ってB君に餃子を1つあげました。

ここでは,A君とB君の約束の餃子は同じお店の同じメニューの1個の餃子であり,同種同等同量の「物」を返す約束の下で餃子を受け取っていますので,消費貸借契約といえます。ただ,捉え方によっては以前説明した贈与や交換などの他の契約類型ともとれそうな,微妙なケースではありますね。

次回も典型契約について説明していきます。典型契約は13種類ありますのでまだ半分以上説明が残っています。どうぞお付き合いを。
 
  

 

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