【ブログ】典型契約➅

2019-04-01

 こんにちは。東京都千代田区神田にある法律事務所,アトラス総合法律事務所の佐々木です。今回は民法が定める典型契約のうち,使用貸借(593条)について説明していきます。

 まずは条文の確認から。民法593条は,「当事者の一方が無償で使用及び収益をした後に返還することを約して相手方からある物を受け取ることによって」使用貸借契約の効力が生じる,となっています。ここでは,「無償」という点がポイントですね。でも日常生活の中で,タダで人から物を借りるってどんな場面ですかね。
例えば,隣の席の人に消しゴム貸してもらって返すとかですかね。ラーメン屋の事例だと・・・。

 ラーメン店の店主Xは,その日シフトに入っていたアルバイトが突如休みになったことから1人で店の営業をしていたところ,皿洗いまで手が回らず,次のお客に出すラーメンどんぶりがなかった。そこでXは,店の隣で別のラーメン屋をやっている弟Zのところへ急いで行き,「ちょっと店のどんぶり足りなくなったから貸してくれ。後で返すから。」と言い,Zは「はい,兄貴。これ貸すから後で返してよ。」と言ってXにどんぶりを渡した。
 そして,Xは,Zから借りたどんぶりをお店のラーメンどんぶりとして使用し,洗ってZに返した。

 ここでは,XがZからラーメンどんぶりを受け取った時点で契約の効果が発生しています。なんだか贈与や売買のときと違いますね。
 また,借りた物を返すにあたっては,一般的に借主には目的物を元の状態に戻す必要があるものとされ(原状回復義務といいます。),どこまでの義務があるのかは個々の目的物や当事者のやり取りから判断されます。今回のケースでは,ラーメンどんぶりとして一度使用したものを洗わずにそのまま返すというのは貸したZとしては納得いくものではないでしょうから,契約内容としてある程度キレイな状態で戻すことが求められそうです。

 次回は,みなさんの日々の生活の中でなじみの深そうな賃貸借について取り上げます。
 
 
 

 

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