【ブログ】典型契約⑪

2019-08-19

こんにちは。東京都千代田区神田にある法律事務所,アトラス総合法律事務所の佐々木です。今日は,民法が定める典型契約のうち,「寄託」について説明したいと思います。

「寄託」と書いてキタクと読みます。寄託・・・,なにそれ,聞いたことがないという方も多いのではないでしょうか。寄って託す・・・うーん。まずは条文を見てみましょう。

民法657条には,「当事者の一方が相手方のために保管をすることを約してある物を受け取ることによって」寄託契約の効力が生じる,とあります。これを見ると,物の保管を想定した契約類型であり,保管は誰かのためにするようです。そういう意味では,雇用や請負,委任などと同じように役務型の類型に分けることができます。
寄託の例でよく教科書に載っているのは,手荷物の一時預かりなどです。寄託は無報酬を原則としていますが,タダで預かったのに保管者はなにか義務を負うのでしょうか。なんかバランスが悪い気がしますよね。
そこで,民法659条は,「自己の財産に対するのと同一の注意をもって」保管すればよい,と規定しています。これは,委任契約の受任者が負う注意義務,「善良な管理者の注意をもって」(同法644条)と対比され,無償寄託の場合には注意義務が軽減されています。

ラーメン屋の事例でいえば・・・,

ラーメン屋の店主Xは,店内が狭いにも関わらず物が多いことから,調理がしにくいことを不満に思っていた。そこでXはこの夏の間,夏限定で出していた冷やしラーメンに使う大量の皿を,付き合いのある他店ラーメン屋の店主Iに預けることにした。Xは,上記皿の保管をIに頼み,Iは承諾しこれを受け取った。
Iは,預かった皿を自身の店舗で使用する皿と同じ保管方法で保管していたが,長期間による保管であったタメ,預かった皿にIラーメン店のスープのニオイが染みついてしまい,取れなくなってしまった。

というような場合には,Iは自分の財産である自身の店舗の皿と同じようにXの皿を保管していたので,注意義務違反とはならないでしょう。

次回は,組合について書いていきます。
  

 

 

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