【ブログ】労働者性が問題となったケース(第3回)

2016-12-22

 こんにちは。東京都千代田区神田にある法律事務所、アトラス総合法律事務所の佐々木です。

 前回はとあるホステスさんの「労働者性」が問題となったケースをご紹介しました。みなさんもうすうすお気づきだと思いますが、法律上の 「労働者」 と認められないと、労働について結んだ契約に労働法関連の法律が適用されないんです。

 なので、「労働者」 と認められることはすごく重要なことと言えます。

 それでは、今回は、「労働者性」が問題となった、前回とは別のケースをご紹介したいと思います。

 ケース2

《事案》

 Xさんは、断熱工事を主な業務とする建築請負業、W工業の代表取締役でした。Xさんは、ある日、元請会社からW工業が下請したマンション新築工事現場にいました。Xさんは、ウレタン断熱材を階段2階付近で吹付ける作業中に、階段から1階の床に転落しケガをしました。そこで、Xさんは、今回のケガは業務上の事由によるものだとして、労働者災害補償保険法(以下、「労災保険法」 とします。)に基づいて、労働基準監督署に療養給付及び休業補償給付を請求しました。

 今回、なぜ 「労働者性」 が問題となるかというと、今回のXさんの請求は、労災保険法上の 「労働者」 としての保険の支払いを求めるものです。この請求ができるためには、労災保険法7条1項1号をみると、「労働者」 の「業務上」の負傷であることが必要です。でもXさんは、W工業の社長であり使用者の立場なので、W工業との関係では 「労働者」 ではなさそうです。そうすると、このままでは仕事でケガしたのに、何の補償も受けられなくなってしまうかもしれません。

 そこでXさんとしては、Xさんがもし元請会社の 「労働者」 といえれば、労災保険法の適用があることになります(なお、労災保険法上の 「労働者」 は、労働基準法上の「労働者」と同じように判断するものと考えられています)。

 Xさんとしては、自分は労災保険法上の 「労働者」 なんだ、そして、「業務上」 のケガなんだから、労災保険法7条の保険給付の請求ができるんだ、といいたいわけです。

 さて、Xさんの請求は認められるのでしょうか。 次回に続く・・・。

 

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