【ブログ】司法試験漏えい問題 第一回

2015-09-28

神田の弁護士が自由奔放につぶやくブログ

~ゲーム,アニメ,ラーメンが好きな弁護士が何でもいいから気ままに語る~

皆さん,こんにちは。弁護士の清水です。

 連休明けで,ボーっとしてますが,司法試験の問題漏えいが起きたということで,懐かしき私の受験時代の感想も踏まえ,本事件のみならず,司法試験制度や法科大学院制度の構造的欠陥についても検討したいと思います。

 1 事案の概要

 今年の司法試験で,憲法を担当し,司法試験考査委員であった青柳幸一明治大学法科大学院教授が,同大の女子学生に対し,憲法の試験問題に対する模範解答を教えていたようです。

 この女子学生は,5年間の受験資格停止。また,教授は司法試験考査委員のみならず,大学教授も免職され,国家公務員法違反(守秘義務違反)で刑事訴追されるとのこと。

 発覚の経緯は,女子学生の実際の答案が完璧すぎたからというのが笑えますね。

 私も経験者ですが,昔と違って,今の司法試験は問題が複雑になっており,問題文を読むだけでも苦労するような内容ですから,あまりに完ぺきな内容だと不正がばれるということになるんでしょうね。

 逆に言えば,人間業では,パーフェクト答案は書けない試験になっているわけですね。

 2 青柳教授について

 インターネット上の情報では,「ブルー卿」とか呼ばれて女性を優遇したり,筑波大学法科大学院時代にも同じようなことをやった形跡があるとのことです。

 青柳教授は2005年から2010年まで筑波大学法科大学院教授,2011年から明治大学法科大学院教授ということで,下記の筑波大学法科大学院の司法試験合格率とのからみで筑波大学法科大学院でも同じようなことをしていたのではないかとの指摘があります。

  2010年 筑波大学法科大学院 受験者43人 最終合格者11人 合格率25.6%
  2011年 筑波大学法科大学院  受験者55人 最終合格者 4人  合格率  7.3%

以上

 ただ,これだけでは,何とも言えませんけどね。

 今後,刑事捜査が進めば,いろいろ解明されるかもしれませんが,漏えいは今回が初めてというわけではないでしょうし,司法試験の公正を害したことは重大であることや他の情状によっては(教え子との関係や動機等),結構重く処罰されてもいいんじゃないかと思うんですけど,国家公務員法100条の守秘義務違反は,最高1年の懲役又は最高50万円の罰金までしかないようです。軽いですね(´゚д゚`)

 外にも守秘義務違反があったことを立証して併合罪に持っていき,かつ罰金刑の併科で立件しても懲役1年6か月と罰金100万円が最大になるのかな?

 まあ,公判請求はするでしょうが,下される判決は罰金刑や執行猶予付きの判決が穏当なところかと思います。また,真摯に捜査に協力しているようですから,逮捕等,身柄拘束もないでしょう。

 3 教え子の女性

 じゃあ,問題の漏えいを受けた側は刑事責任を問われないのか?

考えられるのは,守秘義務違反の共犯(身分なき共犯)の可能性ですね。

 今回の件は,教え子の女性が一番利益を得るので,女性側からけしかけた可能性も捨てきれないです。

 問題漏えいをどっちが主導したのかが焦点ですね。なお,いまや,女性の名前や出身地及び出身大学までさらされていますね(インターネットは怖いですよね( ゚Д゚) )

 聞くところによると,この女性は20代半ばで2回目の受験だったそうですが,憲法以外の科目はどうだったんでしょうかね。

 現在の司法試験は,行政法や民事系,刑事系,選択科目が論文式試験であり,短答式試験も加えると結構なボリュームですので,憲法の論文と短答が満点だったとしても,外の科目の出来次第ではどうせ不合格だったかもしれません。

 いずれにせよ,5年間の受験禁止は痛すぎますね。事実上法曹の道はなくなったといっていいかも。

 4 まとめ

 この種の問題は,司法試験に限らず,他の試験でも起こりうる話なんですが,司法試験の場合法科大学院制度との関係で,ちょっと変わった問題も出てきます。

 今回の問題の本質を考えるにあたっては,司法試験制度と法科大学院のシステムまで掘り下げて検討する必要があります。

 ・・・続く

 

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