【ブログ】司法試験漏えい問題 第二回

2015-10-07

 神田の弁護士が自由奔放につぶやくブログ

~ゲーム,アニメ,ラーメンが好きな弁護士が何でもいいから気ままに語る~

 弁護士の清水です。前回に引き続いて,司法試験問題漏えいについて,お話ししたいと思います。

 1 司法試験制度について

 司法試験については,私もかなり苦労しました。私の受験時代について言うと,ロースクールができる前にあった旧司法試験の合格率は4%弱くらい。新司法試験については20から30%くらいでしたので,旧司法試験と新司法試験で,合格率では10倍くらいの差がありました。

 しかし,実際のところ,旧司法試験は受験者数は多かったものの,記念受験の学生をはじめもともと合格見込みの無い受験者が多く存在していました。

 私の感覚では,当時4万人ほど受験者がいましたが,実際に勝負になるのは上位1万人くらいかな(余談ですが,私は旧司法試験短答式には合格してます。論文は3500位くらいだったかな?(>_<))。

 それに対し,新司法試験については受験回数に限度があり(当時はロー卒業後5年間で3回まで),原則として,法科大学院経由でなければ受験すらさせてもらえなかったので,受験者は高い学費と2年又は3年以上の時間を費やして試験に挑戦することになりますから,受験にかける熱意が違う。

 その結果,受験者数が1万人程度でも,多くの受験者が高いモチベーションで受験していたと思われます。

 このため,実際の合格難易度でいうと,10倍もの開きはなかったように思えますが,

 いずれの司法試験も難しかったという印象しかないですね。

 

2 法科大学院の問題点について

 他の先生のブログやメディアの論評などを見ていただければ容易にわかるように,今や法科大学院は「崩壊大学院」と揶揄される状況ですが,法科大学院が発足したのは,私が大学生の時で,当時はかなり注目されていたのは事実です。

 合格率80パーセント,3000人の合格者などと謳ってはいましたが,全く司法試験の合格実績がない大学も法科大学院を創設したりして,当時から疑問がありました。

 また,受験スキル偏重の旧司法試験から脱却し,実務に即したプロセス重視の教育を目指していたようです。(というか今も目指しているのか?(゚Д゚;))

 しかし,新司法試験も所詮は一発試験ですから,どんなに法科大学院の成績が良くたって落ちますし,逆に,成績が悪くても通る人は通ります。

 また,司法試験の出題方法や問題内容を工夫したところで,試験である以上,受験スキルがものをいいますから,多くの法科大学院生は予備校を受講していますし,予備校が実施する答練とか模試は法科大学院が受験を勧めているのが実情です。

 これでは,法科大学院に行くのは,経済的,時間的に多くの損失しか生まず,存在意義が問われ,予備試験が有力な選択肢になるのは必然ということになります。

 あえて,法科大学院に行くのは,受験資格を得るため,さらには問題漏えいを期待してということになりますね(=゚ω゚)ノ。

 

3 法科大学院と試験問題漏えい

 法科大学院の存在自体に疑問符がついている中,このような問題漏えいが起きると,一発試験の公正すら確保できないということになり,日本の法曹養成制度はどうしようもない状態ということになります。

 そういえば,法科大学院ができる前の旧司法試験でも,問題漏えいは十分存在しえたのですが,表立って問題にはならなかったですね。

 これは,そもそも,大学生の3,4回生の段階で,司法試験に合格する人はほんのわずかでしたし,旧司法試験時代は,受験生は大学の講義ではなく,予備校に行って勉強していたので,試験委員を務める大学教授と接触する機会が少なかったためと考えられます。

 

 4 今後の展望

 司法試験が難しいのは,問題が難しいからで,問題の作成や採点基準,配点基準も素人で設定するのは無理であり,試験考査委員と法科大学院教授が兼任される状態は続かざるを得ないでしょう。

 試験考査委員が法科大学院で教鞭をとっているのだから,特に試験考査委員を多く輩出している名門法科大学院では,常にこの種の問題は生じることになります。

 実際,過去にも,慶応大で勉強会とか何とかいって,試験問題に類似する答案練習会みたいなのが行われ,その年の慶応大学の司法試験合格率が異様に高かったなんてこともありました(本当はこれの方がもっと深刻な問題だったけど)。

 まだ,新司法試験が実施されて2回目で,このような状態だったんですから,これ以降も明るみに出ないところで,問題の漏えいなどが行われているのは間違いなさそうですね。

 しかも,今回の摘発を受けて,もっと巧妙に不正が行われることも予想されますが,

 現状では有効な対策は講じることはできないでしょうなあ(´゚д゚`)

 

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