【ブログ】夫婦別姓 判決

2015-12-18

 神田の弁護士が自由奔放につぶやくブログ

 ~ゲーム,アニメ,ラーメンが好きな弁護士が何でもいいから気ままに語る~

 皆さん,こんにちは。弁護士の清水です。

 以前から,当ブログでも検討していた女性の再婚禁止期間(民法733条)と夫婦別姓を認めない民法の規定(民法750条)について,最高裁で判決が出ました。

 結果は,予想通り,再婚禁止期間については違憲,夫婦別姓を認めていないことについては合憲とのことでした。結論だけなら,予想通りなんですが,意外な点もございましたので,ちょっと論評をしていきたいと思います。

  1 再婚禁止期間

 これについては,違憲判決は当然として,違憲の理由については再婚禁止期間が180日とされている点が,長すぎるとし,女性の婚姻の自由を不必要に制限していることを理由に違憲と解されています。

 ということは,女性にだけ再婚禁止期間を設けていること自体は問題なく,男女不平等とは言えないわけで,再婚禁止期間自体は,期間を短くして残存することになります。

 現行の嫡出推定規定(民法772条)の下では,父親の確定のために女性の再婚禁止期間を設けること自体はやむを得ないということでしょう。

  2 夫婦別姓を認めないこと

 これについては,違憲判決は出ないと確信していたんですが,意外にも5人の裁判官は違憲と判断しています。

 前のブログで「15人の最高裁判所裁判官で判決しますが,ほぼ全員が夫婦別姓を認めないことについて違憲とは判断しないといっていいんじゃないかなあ。」などと予想していましたが,保守的過ぎましたね(*´Д`)。

 特に3人の女性裁判官はともかく,男性の裁判官も2人が違憲と断じていることは驚きました。

 反対意見の詳細をすべて把握していないんですが,反対意見のうち一人の裁判官は,国家賠償まで認める見解を示したそうです。

 1996年に法制審議会が選択的夫婦別姓導入を含む民法改正案について,答申があったのは事実ですが,憲法論として,立法の不作為が違憲,違法として国家賠償請求が認められるのは相当例外的な場合だけですので,この意見が一番強烈ですよね。

  3 まとめ

 まあ,今回の判決自体は,予想通りですし,再婚禁止期間は,判決通り改正をし,夫婦別姓は導入されないという形で進むでしょう。

 今回重要なのは,最高裁裁判官のうち,女性裁判官はすべて違憲と判断したことでしょう。

 もともと,裁判官なんて,男性が占める割合が高く,15人の最高裁裁判官の数名しか女性の裁判官は占められないわけですから,その女性裁判官が皆違憲で一致したのは,女性の声を代弁していると言ってよいでしょう。夫婦別姓は単に夫婦の問題ではなく,男性と女性の問題であることを考えるとこの点は極めて重要です。

 また,判決では夫婦別姓を導入していないことが違憲とはいえないにしても,司法府としてそれを導入することに対して否定的な態度はとっていないことも注目する必要があります。

 夫婦別姓の導入によって生じる弊害や問題点についても多く指摘して参りましたが,これらはいくらでもクリアでき,夫婦別姓を導入することの妨げにはならないということでしょう。

 再婚禁止期間と夫婦別姓という家族法上の大きな二つの問題について最高裁が判決を下したということで,久しぶりに家族法の勉強ができました。

 間違いなく,重要判例として認定されるでしょうから,久しぶりに判例百選とかジュリストとか判例集でも買ってみよーかなー(=゚ω゚)ノ。

 

 

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