【ブログ】夫婦別姓

2015-08-21

神田の弁護士が自由奔放につぶやくブログ

~ゲーム,アニメ,ラーメンが好きな弁護士が何でもいいから気ままに語る~

皆さん,こんにちは。弁護士の清水です。

 前回,同性婚について話してみましたが,ちょっと類似した問題として,今日は選択的夫婦別姓制度について検討してみたいと思います。

 ① 夫婦別姓制度の合憲性

 同性婚と異なり,別姓を法律で認めたからと言って,憲法上の疑義はないです。むしろ,賛成派からは,これを認めないのが違憲というくらい。憲法24条2項では,「配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない」とあるので,夫婦別性を認めない今の民法等は「個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して」ないということでしょう。

 なお,この点について,近々に最高裁が憲法判断するらしいから,注目ですね。 平成27年11月4日に,最高裁大法廷で弁論が開かれるようです。

 ② 別姓を認めないことは違憲なのか?

 今,最高裁で係属中の事案の詳細や代理人弁護士の主張の内容は別にして,どのような憲法論になるか検討してみましょう。

(1)男女不平等(憲法14条違反)

 民法750条は「夫婦は,婚姻の際に定めるところに従い,夫又は妻の氏を称する。」と定め,別性は認めず,同氏にしないと婚姻できない制度にしています(市役所等の戸籍課が受け付けず,入籍できない)。

 この規定によると,男性が女性の氏に代わることも法律上はオーケーなわけで,男女平等(憲法14条)には違反しないですが,実体としては男性の氏に合わせるのが大勢ですので,事実上の不平等は存在しています。

 ただ,結論として,「法の下には平等」である以上,かかる事実上の不平等だけで最高裁が憲法14条に反するとは言わないでしょう。

(2)憲法13条,24条違反

 夫婦のあり方については,本来各々のカップルが各自で決めていくべきであり,氏の決定権が奪われているという理由で,自己決定権(幸福追求権)を根拠に違憲とすることも考えられます。

 まあ,憲法の人権論ではよく見られる,「困った時の13条違反」ですが,婚姻制度をどのように定めるかは法律に委任されている範囲が広いうえに,世論調査を見ても,夫婦同氏の原則はおおむね支持されている実態に鑑み,違憲とまでは言いにくいとは思います。

 違憲判断に持っていくには,別姓を認めないことによって当該夫婦にどのような弊害があるのか,逆に別姓を認めたところで何の弊害もないことを具体的に主張立証し,相当,説得力のある陳述をしなければならないでしょうね。

(3)違憲判断は出るのか?

 結論的には,夫婦別姓を認めないことが違憲と断じることはないと思いますが,最高裁の裁判官(15人のうち,特に女性裁判官)がどのような判断を示すのか興味があります。

 さらに,合憲か違憲かだけではなく,司法の説示は,政治,社会に影響を及ぼす可能性がありますから,要チェック。

  ③ 私見

 今の夫婦は,96%の夫婦が男性の氏を名乗っており,女性の心理としておかしいと思う気持ちは十分理解できます。

 男性からしても,このような社会的実体がある中,自分だけ女性の氏に合わせることには躊躇してしまいます(私も結婚するなら,女性の氏に変えるのは拒絶しますね。ごめんちゃいちゃい)。

 そこで,別姓を認めようというわけで,特に問題はない気もしますが,反対論も強いようですね。

 まあ,結婚なんてしなくても何の支障もないので,氏でもめるくらいなら,事実婚のままでもいい感じもしますが,子供ができた場合や相続の問題になった時には,事実婚だと面倒になりますから,無視できない問題です。

 

ページの上部へ戻る

Copyright(c) 2015 アトラス総合法律事務所 All Rights Reserved.