【ブログ】婚姻費用・親権・年金分割

2015-09-10

神田の弁護士が自由奔放につぶやくブログ

~ゲーム,アニメ,ラーメンが好きな弁護士が何でもいいから気ままに語る~

 皆さん,こんにちは。弁護士の清水です。

 当ブログでも,離婚や浮気,同性婚や夫婦別姓など男女にかかわる社会問題について,取り上げてきました。

 今日は,それらに付随して,よく問題になる点について検討してみましょう。

 1.婚姻費用

 これは,離婚前に問題になることですが,夫婦は同居し相互に協力し扶助する義務を負っていますので(民法752条),婚姻中は婚姻費用(夫婦生活に必要な支出)の分担をしなければならないのが原則です。

 ただ,婚姻費用は夫婦が円満な場合は,全く問題にならないし,夫婦生活が冷め切っていても,同居している限りは,あまり顕在化しないのが実情です。

 婚姻費用が問題になるのは,夫婦の一方が別居してからというのが多いですね。

 婚姻費用の支給額は夫と妻の収入の相関関係及び子の年齢や数で決まり,特段の事情がない限り,家庭裁判所が作成している婚姻費用算定表で機械的に決まるでしょう。(http://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou/

 支給時期については,調停を申し立てた月からとされるのが原則で(別居からではない)離婚するか否かは別にして,婚姻費用の分担調停の申立は可及的速やかに提起した方がよいと考えます。

 また,逆に,別居後も,夫が妻に生活費等の名目で仕送りをし,その給付が算定表基準を大幅に上回っていたとしても,離婚の時になって,過剰に給付した婚姻費用を取り返すということはできない点も注意が必要です。

 もっとも,過去の婚姻費用や過剰な婚姻費用の給付は離婚すれば財産分与に反映される可能性はあります。

 従って,別居に至っても,夫が妻に一定の生活費等を支給するのは義務ではありますが,よりを戻すなら格別,離婚前提で別居しているのなら,適正な額,相当な額を給付すべきであり,さじ加減で適当な支給はしない方がいいでしょうね(むしろ,一切支給せず,分担調停の申立てを待って払うほうがいいかもしれない)。

別居した後,どうすべきなのかは一端弁護士に相談したうえで適切な対応をしておけば,

いざ離婚するとなった時に,離婚協議,調停はスムーズにいくことでしょう。

 2.子供について

  (1)親権の帰属

 夫婦に子供がいる場合には,離婚すると夫婦のいずれかに親権を帰属させることになりますが,大抵の場合は妻側に親権は帰属します。

 経済面で言えば,多くの場合には男性側の方が充実しており,夫に親権を与えてもよさそうですが,実務的には圧倒的に妻が親権を取得します。

 親権には子の身上監護権及び財産管理権が含まれますが,子の福祉という観点からは,前者が極めて重要になります。身上監護とは,平たく言えば子供の面倒見であり,看護実績がある方に付与すべきだという考え方が根底にあります。そして日本の場合は母親の方が圧倒的に子供の教育,看護に果たす役割が大きいがゆえに,妻側が親権を取得するのです。

 したがって,夫が親権を取得するのは,妻側が同意している場合や妻の養育,看護に重大な懸念がある場合(虐待など)等限定的だと思われます。

  (2)養育費

 親権が妻に帰属しても,父子関係は消滅しませんので,離婚しても夫は父親としての責任を果たさなければなりません。

 それは,養育費の支払いという形で具体化しますが,養育費の支給額は月額いくらという定めになります。

 この額も家庭裁判所が作成する算定表で決まることが圧倒的です。すなわち,夫と妻の収入(年収ベース)の相関関係で決まります。

ただし,算定表を見ればわかりますが,養育費の月々の支払額は婚姻費用より,数万円

程度少なく設定されています。

これは,そもそも婚姻費用は養育費プラス妻の生活費のことであり,離婚した後は妻の生活費を考慮しなくてもよくなるためですが,月々の支払額を減らしたいなら,早く離婚した方が賢明だということになります。

また,ここにいう収入は離婚時の収入であり,過去三か月分の給与明細や前年度の源泉徴収票,確定申告書などが算定資料になります。

 したがって,離婚後収入が増減したり,離婚夫婦の一方が再婚したり,子が結婚するなどして事情が変わっても一度決められた養育費の額を一方的に変更することはできず,養育費の増減は養育費減額(増額)の調停を再度提起し,裁判所に養育費の額等の変更を認めてもらう必要があります。

次に,支給時期は離婚の月又は離婚の月の翌月からとする場合が多いですね。

 さらに,支給期間は,子供が大人になるまでですから原則20歳までということになりますが,大学に行く場合には,大学卒業までとなります。

 3.年金分割について

 離婚する際には,年金分割の手続も忘れてはいけません。

 夫が厚生年金に加入している場合には専業主婦の妻は第3号被保険者に該当し,国民年金を支払わなくても基礎年金は受け取れる立場にあります。

しかし,厚生年金加入者の夫は,基礎年金だけでなく,所得比例部分の上乗せ年金について受給できますので,婚姻期間中の所得比例年金につきまして,妻に原則半分を譲り渡すのが年金分割の手続きです。

  離婚するときに夫婦の一方又は双方が,厚生年金に加入していれば,婚姻から離婚までの間の年金受給額は均等となります。

 とりあえず,年金事務所から情報通知書を取り寄せておいて,受給額を積算しておいた方がいいでしょうね。

 因みに情報通知書は離婚調停等で年金分割を求める際には必要不可欠な書面で,本人であれば簡単に取得できます。

 

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