【ブログ】履行遅滞

2017-02-15

 こんにちは。東京都千代田区神田にある法律事務所,アトラス総合法律事務所の佐々木です。前回の続きを書いていきます。

  1 本題に入る前に

 前回,私は当然のように債権・債務(債権者・債務者)という単語を出しましたが,文字だけみると少し怖くないですか。何か,自分にはあまり関係のない,できれば関わりたくないような気持になるのは私だけでしょうか。

 しかし,前回も書いたように私たちの日常生活は,いろんなお店・企業あるいは個人間との債権・債務関係で成立しています。前回の電車の例でいえば,電車に乗るには乗車券を購入する必要があります。乗車券を購入したら,購入者は,乗車券の範囲の区間まで運んでもらう,という権利=「債権」を当該鉄道会社に対して有していることになります。反対に,鉄道会社は,購入者を乗車券の範囲の区間まで運ぶ,という義務=「債務」があることになります。

 このように,債権・債務とは権利と義務を言い換えたものであって,様々な権利義務が私たちの日々の生活の中で発生し,また消滅していることになります。

  2 履行遅滞

 では,ここから本題です。その生じた債務が履行されない状態(債務不履行状態)が3つの類型に分けられていることは前回書きました。今日の内容は,その1つである履行遅滞についてです。

 これは漢字から推測できるように,債務の履行が遅れている状態のことです。そして,履行が可能であり,同時履行の抗弁権等がないこと(これらは別の機会に説明します。)が履行遅滞といえるために必要となります。

 日常生活の中でいえば,電気料金の支払期日を過ぎた契約者とかは履行遅滞ですね。

 ここで,幣所の代表弁護士から,私の身近な生活の中から例を挙げてみて,とお題をもらったので,私の好きなラーメンを例に出してみます。

 ここでは,ラーメン屋さんの「ラーメンを出す債務」が履行されているかどうかをみていくことにします。

 A ラーメン屋さんでラーメンを頼んだらラーメンが出てきた。

→これは,債務の本旨に従った履行がされた状態です。債務不履行になっていません。

 B 食券を先に買うタイプのラーメン屋さんで食券を買って,10分以内にラーメン・チャーハンセットを出すという約束=契約をしたのに,10分以内にチャーハンは出てきたけど,ラーメンは出てきていない。

→これは,チャーハンを10分以内に出すという面からみたら履行されていますが,「ラーメンを10分以内に出す」という債務は遅れている状態です。

 また,「ラーメン・チャーハンのセットを10分以内に出す」という意味でも,債務の履行が遅れているといえそうですね。

 C Bと同様に食券を買って,麺固めのラーメンを10分以内に出す契約をしたのに,10分以内にラーメンは来たけど麺が柔らかかった。

→これはどうでしょう。一応ラーメンは10分以内に来ているから遅れていないともいえそうですよね。でも,「麺固めのラーメンを10分以内に出す」という意味では履行がされていないといえます。

 3 上記B,Cは履行遅滞(次のテーマの不完全履行とも関係します)であり,債務不履行になっている状態です。次回は,債務不履行の1類型,不完全履行について書いていきます。

 

 

 

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