【ブログ】成年被後見人について

2017-01-20

 こんにちは。東京都千代田区神田にある法律事務所,アトラス総合法律事務所の山本です。前回からの続き,成年後見人についての説明をしていきます。

 1 成年被後見人とは?

 成年被後見人とは,「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」をいいます(民法第9条)。「精神上の障害」「事理を弁識する能力」(事理弁識能力),「常況」など難しい言葉が並びます。そこで,具体的にイメージしてみましょう。

 まず,「精神上の障害」とは,認知症や知的障害,精神障害などのことを指します。そして,「事理を弁識する能力を欠く」とは,前回のブログで説明した「意思能力(簡単にいうと,契約のメリット・デメリットを正しく理解した上で契約を結ぶことができる能力)」さえもないような状態と考えてみてください。そして,「常況にある者」とは,通常このような状態にあることを意味します。そうすると,成年被後見人とは,「認知症等により,自分では契約のメリットやデメリットを正しく理解した上で契約を結ぶことができる能力がなく,通常このような状態にある人」のことをいうんだなと考えることができます。

 2 生活するうえで法律上どのような制約があるのか。

 まず,成年被後見人は,日用品の購入その他日常生活に関する行為については,自分自身で有効に行うことができます(民法第9条ただし書き)。このような行為についてまで制限すると,成年被後見人の生活は著しく不便なものになってしまいますし,取引の相手方に不測の損害を与えるという可能性も低いと考えられるからです。

 これに対し,たとえば自動車の購入や建物の購入などの法律行為(契約)については,成年被後見人は単独で行うことができません。確かに,これらの契約は,金銭的な額が大きく,購入すべきかを自分で判断することは難しいですよね。

 ここで登場するのが,後見開始の審判の際に選任される「成年後見人」です。成年後見人は,成年被後見人の財産を管理し,また,その財産に関する法律行為について被後見人を代理します(民法第859条)。したがって,成年後見人が代理人として契約を行うことになります。仮に単独で行った場合には,契約は取消すことができます(民法第9条本文)。

 もっとも,たとえば,結婚などのいわゆる身分行為といわれるものについては,本人(=成年被後見人)の自由な意思が尊重されるべきであるため,単独でできることになります(民法第738条)。

 次回は,被保佐人について説明したいと思います。

 

 

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