【ブログ】債務不履行による賃貸借契約の解除

2016-09-15

 

 皆さん,こんにちは。アトラス総合法律事務所の山本です。

 今回は,建物の賃貸借契約が,債務不履行によって解除される場合について説明したいと思います。

 1 債務不履行による解除

  (1)「債務不履行」という言葉ですが,賃貸借契約以外でもいろんな場面で見聞きすると思います。債務不履行とは,文字通り債務者が債務を履行しないことですよね。債務者が債務を履行せず,しかも,その不履行が債務者の責めに帰すべき事由(帰責事由)による場合,民法は,一定の手続きに従って債権者が契約を解除できることを認めています(民法540条以下)。

  (2)では,賃貸借契約における債務とは何でしょう?賃借人の債務はイメージしやすいと思います。そうです。「賃料を支払うこと」です。では,賃貸人の債務は?…答えに詰まる方が多いのではないでしょうか?答えは,「目的物の使用収益を賃借人にさせること」です。では,なぜこのように言えるのか,その根拠は分かりますか?根拠は,民法601条です。民法601条には,「賃貸借は,当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し,相手方がこれに対して賃料を支払うことを約することによって,その効力を生ずる。」と書いてあります。ここから,賃貸人の債務は「ある物の使用及び収益を相手方にさせること」であり,賃借人の債務は「相手方がこれに対して賃料を支払うこと」であることが分かります。

  (3)他にも賃借人の義務(債務)はあります。例えば用法遵守義務(民法616条・594条1項)や,賃貸人に無断で賃借権を譲渡したり賃借物を転貸してはいけない義務(民法612条1項)などがあります。

 2 信頼関係破壊の法理

 では,賃貸借契約において,賃借人が賃料を払わなかった,ペット禁止なのにペットを飼っていた,大家さんに無断で友人を住まわせていたという場合に,大家さんは,これらは債務不履行だから賃貸借契約を解除することができるのでしょうか?

 ここで問題となるのが,「賃貸借契約上の義務違反があった場合でも,いまだ信頼関係を破壊するに至らない場合には,契約の解除は認められない」との考え方(信頼関係破壊の法理)です。

 次回に続く…。

 

ページの上部へ戻る

Copyright(c) 2015 アトラス総合法律事務所 All Rights Reserved.