【ブログ】行為能力について

2017-01-13

 こんにちは。東京都千代田区神田にある法律事務所,アトラス総合法律事務所の山本です。

今回から,成年被後見人などの制限行為能力者制度について説明をしていきたいと思います。

 

 1 行為能力とは

 「行為能力」とは,単独で,完全に法律行為をすることができる能力のことをいいます。法律行為とは,法律効果の発生を意欲する意思表示を構成要素とする法律要件なんていったりしますが,例えば契約のことです。そうすると,「行為能力」がないと,自分自身で,法的に全く問題のない,契約ができないということになります。

 ここで,「行為能力」とは別の法律概念(というか前提になる法律概念)として,「意思能力」というものがあります。

 「意思能力」とは,有効に意思表示をする能力のことを指します。意思表示とは,たとえば,何かを買うときの「これ買います!」という,相手方に対する自分の意思の表示を思い浮かべてください。

 「意思能力」をごく簡単にいってしまうと,契約のメリットやデメリットを正しく理解したうえで契約を結ぶことができる能力です。たとえば,3歳ぐらいの幼児(ただし,かなりの財産を有している幼児)は,都心の投資用マンションを,地価の上昇下落を正しく予測した上で購入しようと考えることができるでしょうか?おそらく,できませんよね。

 ですので,幼児や精神の障害等で意思能力を欠く人の意思表示は無効であるとされます。

 

 2 なぜ,契約をするときの前提として「行為能力」が求められるの?

 意思能力を欠く人の意思表示は無効ですが,契約の当時,意思能力がなかったと証明することは困難な場合があります。そうすると,立証の困難さから本人の保護を図るべきではないかと考えられます。他方,本人に意思能力があると考えて取引した相手方は,後で本人に意思能力がなかったから契約は無効ね,といわれると不測の損害が生じます。そうすると,取引の相手方の保護も必要だと考えられます。

 そこで民法は,制限行為能力者制度を設けて,これらの者が単独でした法律行為は一定の要件の下で取消すことができるとしました。

 このようにして,法律行為が完全な効力を生じるためには,意思能力と行為能力が必要ということになります。

 

 3 法律上定められている制限行為能力者

 成年被後見人,被保佐人,被補助人,未成年者が定められています。なお,「被」とは,行為能力を制限される人を指します。次回以降,説明をしていきます。

 

 

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