【ブログ】遺言書に形式的不備があった場合は?

2016-05-23

~東京 千代田区 神田の弁護士新谷朋弘より~

 皆様こんにちは,アトラス総合法律事務所代表弁護士のあらやです。今,世間で注目の話題を取り上げ,ブログでつづりたいと思います。

 以前のブログで紹介した遺言書の種類のうち,自筆証書遺言は最も一般的,且つ,簡便な方法で遺言者本人が自筆で作成するものですが,形式的な要件が整わないと不備として遺言書が無効になってしまうと説明しました。

 例えば,作成日の日付が曖昧だったり,自書や押印されていないなど,一つでも形式的に不備があると,せっかく遺言者が相続人や親族等のことを考えて財産を残した気持ちや思いが法的に無効となってしまいます。

 そうすると,遺言書は無かったものとして,法定相続分に従い相続を行うことになります。

それでは,遺言者が残した無効の遺言書内容は全く意味をなさないものになるのでしょうか。

 一つには,遺言書を残した被相続人の生前の意思を尊重して,遺産分割協議で考慮することは考えられます。ただし,これはあくまでも相続人全員が被相続人の意思を尊重することが前提となりますので,遺言書の内容に拘束されるものではありません。

 もう一つ考えられるとしたら,「死因贈与」として遺言書の記載が法的に有効になる可能性があります(民法554条)。

 死因贈与とは,「私が死んだ時には長男に不動産をあげる。」などといったように,贈与者の死亡によって効力が生じる贈与を意味します。

 この死因贈与が認められるためには,いくつかの法的な要件が求められますので,無効となった遺言書の記載がどんなケースでも全て有効なものとして認められるものではありません。

 一度無効となった遺言書が,死因贈与という構成により法的に有効となる可能性がありますので,このようなケースに遭遇したら専門家に相談することをお勧めします。

 

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