Archive for the ‘ブログ’ Category

【ブログ】日常の出来事

2018-10-22

  こんにちは。東京都千代田区神田にある法律事務所,アトラス総合法律事務所の佐々木です。

 法律事務所では,裁判所との間で書面や電話でのやり取りが日常的に行われていますが,今日裁判所から電話があり,「(幣所の依頼者の相手方である)原告の請求に予備的請求が追加されたので,書面の送達が必要になったから裁判所に副本を取りに来てほしい。」とのことでした。
 幣所の弁護士に伝言すると,「なぜ送達が必要になるのかわかりますか?」と聞かれ,私は即答できませんでした。
 そこで調べると,今回は訴え提起時には1つの請求であったものにもう1つ請求を追加する,訴えの変更(民事訴訟法143条1項)のケースでした。そして,この訴えの変更は書面でしなければならず(同条2項),この書面は相手方に送達しなければなりません(同条3項)。
 なるほど,裁判所の方はこの条文を根拠にお話しされていたのですね。
 
 何気ない日常の仕事の1コマでしたが,法律の根拠に基づいて仕事がされていることを感じました。
  

【ブログ】知的財産法概要6

2018-09-05

東京都千代田区神田にあるアトラス総合法律事務所の管野です。

商標権は、商品やサービスが他の粗悪なものと間違われて評判が落ちるような事態を避けるために認められるものです。
具体的には、文字、図形といったいわばシンボルとなるようなものを、他の人が使えないようにすることができます。

最近では、こういった見た目で判断できるものだけでなく、音にも商標権が認められるようになりました。
例えば、CMで印象深い「正露丸」の『ラッパのメロディ』(大幸薬品株式会社)などです。

商標権が認められるものに似たシンボルを勝手に商品に付けたりすると、商標権侵害となる場合があります。似ているかどうかは難しい判断ですが、①見た目がどれくらい似ているか、②声に出して呼ぶと聞き間違えやすいか、③そのシンボルから受けるイメージが似ているか、といった点が基準になります。

意匠権は、見た目から美しさを感じ取れるデザインで、かつ、大量に作ることができるものについて認められます。著作権と特許権の間、といった感覚です。
例えば、おしゃれ用カラーコンタクトレンズの模様や色というのは、その見た目が美しく、商品として売るために大量生産できるものとなっています。そのため、意匠権の保護が受けられます。

これについても、似たようなデザインを勝手に使うことは許されません。似ているかどうかは、買う人が、そのデザインのうち特に興味を惹かれる部分を中心に判断することになります。

ここまで、知的財産法についてかいつまんで説明しました。なんとなくのイメージはお持ちいただけたでしょうか。

より具体的で深いお話については機会を改めて説明したいと思います。

 

【ブログ】知的財産法概要5

2018-08-16

東京都千代田区神田にあるアトラス総合法律事務所の管野です。

特許権を持つと、これを侵害する人に対して、侵害をやめること、損害賠償としてお金を支払ってもらうことができます。

特許権侵害とは、基本的に、保護されている発明を勝手に利用して、その発明によって物を作ったり、作られた物を使ったり、売ったりすることをいいます。

問題なのは、発明を利用したかどうかをどうやって判断するか、という点です。

前回説明した通り、特許権を得るためには特許庁に書類を提出する必要があります。その書類には、どのような発明をしたかが言葉で説明されます。
発明を利用したかどうかは、このその提出書類に書かれている言葉通りのものを利用したかどうか、というところから判断することになります。

例えば、「金属をS字に似た形に加工して作られる強いバネ」といった説明がなされる発明があり、これに特許権が認められているとします。
他の人がこれとまったく同じものを作った場合には、原則として特許権侵害になります。
他方、金属を加工して作られる強いバネを作ったとしても、その形がT字に似たものであった場合、「S字に似た形」という言葉と一致しないため、原則として特許権侵害にはなりません。

このように、言葉を基準にして認められる特許権侵害のことを、文言侵害(もんごんしんがい)と呼びます。

ちなみに、文言侵害以外に均等侵害というものがありますが、かなり深い話になってしまうので、その説明は後の機会に。

次回は意匠、商標についてまとめて説明します。
  
  

【ブログ】知的財産法概要4 

2018-07-26

東京都千代田区神田にあるアトラス総合法律事務所の管野です。

特許権は「発明」を創って得られるものです。「著作物」を創って得られる著作権とは違いがあります。

「著作物」は、小説を読んで、音楽を聴いて、絵画を観て、創作者の伝えたいことから何か心を動かされたり、新しい考えを与えられたりするようなものです。

他方、「発明」は、携帯電話、薬、LEDといった身近なものから、専門家の使う機械やプログラムまで、広く生活に必要なものや生活を実際に豊かにするものです。創作者が何を人々に伝えたいかは関係がなく、著作物とは違うものと考えられます。

そして、私たちの社会生活をより便利にするためには、発明をみんなに知ってもらい、より多くの人が作ったり使ったりする方が良いはずです。

しかし、どんなに努力して発明を創っても、何の報酬もなく発明を使われてしまっては、発明のために費やした分の金銭ですら回収できません。そうなると、発明者の多くは発明を創る気をなくしてしまいます。

そこで、発明を世の中に広める代わりに、発明を使う人からは報酬を払ってもらいましょう、というかたちで発明者を保護することにしています。そのために発明者が持つことができる権利が特許権なのです。

ただし、特許権は発明をするだけでは持つことができません。特許庁のOKをもらってはじめて特許権を持つことができます。
具体的には、どのような発明をしたかを文字や図で説明した書類を特許庁に出し、審査してもらい、「これは保護するべき発明だ」と判断されれば、特許登録をすることになります。

次回は、特許権を持つとできることについて説明します。

  
  

【ブログ】知的財産法概要3

2018-07-20

東京都千代田区神田にあるアトラス総合法律事務所の管野です。

前回の「著作物」について著作権を持つことができた場合、その著作物を勝手に利用するな、ということを他人に要求することができます。

具体的には、コピーをしたり、売ったり、貸したり、といった行為をやめろということができます。
よく本の終わりのページあたりに「無断で複製、譲渡、貸与することを禁じます」などと書いてありますが、これは「私の著作物を勝手に利用しないでください」ということを意味することになります。

他にも、音楽の演奏、映画の上映、本の朗読会なども勝手にしないでと要求することができます。

なぜ著作権によってこういうことを要求できるかというと、こういった勝手な利用がされてしまうと、作品を創った人がその努力の報酬として本来得られるもの(例えば金銭)が得られなくなってしまうということが挙げられます。特に職業として作品を創っている人にとっては、勝手な利用を禁止できるようにしなければ生活ができなくなってしまいます。

もうひとつ、前回説明した通り、著作物はその人だから創れるもの、その人の個性が表れているものです。つまり、作品には創った人の「人となり」が表れているという視点が大切です。

そのため、①丸々コピーするのではなく、アレンジを加えることであっても、その人の個性の否定になりかねないため、勝手にすることはできません。
また、②その作品を誰が創ったのかという表示をするかしないか、ということも創った人が決めることになります。
そして、③その作品がまだ世の中に出回っていない場合には、勝手に公開することも許されません。

次回は、特許権を持つ方法について説明します。
 
  

【ブログ】知的財産法概要2

2018-06-22

東京都千代田区神田にあるアトラス総合法律事務所の管野です。

知的財産権には著作権のほか、産業財産権あるいは工業所有権というものがあることは前回説明させていただきました。

これらの権利が侵害された場合、その相手に対して侵害行為をやめること、損害が生じた場合には損害賠償としてお金を支払ってもらうことなどができます。
もっとも、そういったことを要求する前提として、①こちらが知的財産権を持っていること、②相手がこちらの知的財産権を侵害していることが必要になります。

今回は、著作権をどうやって持つことができるのか説明します。

著作権は原則として、「著作物」という一定の作品を創り上げれば持つことができます。
例として、詩や曲を創れば作詞・作曲をした人が、絵を描けば描いた人が著作権を持つことになります。
他にも、ダンスの振付けという形に残らないものであっても振付けを考えた人が著作権を持つことになります。また、過去には電話番号情報の並べ方を工夫したタウンページについて著作権が認められた例があります。

作品が「著作物」になるのかどうかにとって大切なことは、それまでに同じようなものがあるようなありふれたものでないこと、作品を作る人の個性が発揮されていることと考えられています。
知的財産権は何かを創り上げた人の努力に対する見返りとして認められる権利です。そのため、その人だからこそ創り出せる、いままでにないようなものを表現することで権利が認められるようになります。

次回は、著作権を侵害する行為とは何かについて、説明したいと思います。

 

【ブログ】知的財産法概要1

2018-06-14

東京都千代田区神田にあるアトラス総合法律事務所の管野です。

知的財産権には前回触れた著作権のほかに、「産業財産権」あるいは「工業所有権」と総称される権利があります。
これは、産業・工業という言葉から想像できるように、著作権よりも実用という点を重視した権利の集まりです。これには、特許権、実用新案権、意匠権、商標権が含まれます。

特許権とは、発明を用いて物を作ったり、それを売ったりすることを独占することができる権利です。
発明の例としては、青色発光ダイオードなどが有名です。

実用新案権は特許権に似ていますが、特許発明ほど高度でない技術に関するものという違いがあります。
日本の発明の黎明期に、高度でないものでも何とか保護しようという観点から設けられた権利です。

意匠権は、物の形、模様、彩りといった見た目の美しさ(工業デザイン)を創り上げることについて保護するものです。
スマートフォンのデザインが似ているとして意匠権侵害をも争ったアップル対サムスン事件は大きなニュースにもなりました。

商標権とは、商品・サービスに付けられたマークを保護するものです。
私たち消費者は商品やサービスの名称、形、色などのマークを見て、それらの安全性や品質がどういったものかを判断することが多いと思います。提供する側からしても、勝手にマークを使われた粗悪な商品などが世の中に出回ってしまうと、本来の商品・サービスの評判が落ちてしまい困ってしまいます。そのため、マークを勝手に使われないように保護する必要があるのです。
ちなみに、商号というのは商品・サービスを提供する人や企業の名称であって、商標とは別のものです。

以上のように、ひとくちに知的財産権といっても多くの種類があります。ただ、これらは共通する部分が多く、特に「今までにないもの」であることは保護を受けるために重要な基準になります。

また、不正競争防止法といった法律も実質的には知的財産権を保護する効果を発揮します。そのため、こういった法律も広い意味では知的財産法に含まれることになります。

次回以降は、それぞれの権利についてより詳しく説明していきます。
 

【ブログ】知的財産権について

2018-06-04

はじめまして。東京都千代田区神田にあるアトラス総合法律事務所の管野と申します。

私は、小さい頃から音楽に興味がありました。
インターネット上で様々な音楽を聴くようになった頃、著作権法が改正され、楽曲データの違法ダウンロードが処罰されるようになりました。このことをきっかけに、「著作権とは何か、法律とは何か」という疑問を持つようになりました。

著作権は知的財産権といわれるもののひとつですが、では知的財産とは一体何でしょうか。

「財産」というとまず思い付くのはお金、家、車、そういった自身が所有している物ではないでしょうか。
これらは目に見える(物理的に存在する)もので、自分の手元にあれば基本的に、他人が勝手に使ったり持って行ったりしないようにすることができます。

他方、著作権などはどうでしょうか。

音楽を例にみると、曲というものは、作曲者が、様々な音を様々なかたちで組み合わせて創るものです。
曲そのものは目で見たり触ったりできるものはありません。しかし、その作曲者が努力して創り上げた、記憶に残るもの(「情報」)として確かに存在します。
この「情報」は一度世間に広まると、どのように広まるかをコントロールすることは難しく、勝手に使われたり、他人が自分の作ったものだと嘘をつくことでその人のものにされてしまうことさえあり得ます。

そこで、こういった「情報」を知的財産という特別の財産として保護し、その情報を創る努力をした人を法律で保護する必要があります。

次回は、知的財産についての権利には具体的にどのようなものがあるのかについてご紹介したいと思います。

 

【ブログ】もしも裁判所から書面が届いたら? 第3回

2018-06-01

 みなさん,こんにちは。東京都千代田区神田にあるアトラス総合法律事務所の山本です。
今回は,前回みたような「訴状」ではなく,「訴訟告知書」が届く場面を見ていきましょう。

 訴訟告知書とは,簡単に説明すると,「現在,あなたに関係する裁判が裁判所で行われていますよ。」ということをお知らせする書面です。訴状と何が違うのかというと,訴状は,被告(原告から訴えられる人)に対して送られてきます。しかし,訴訟告知は,もうすでに原告(訴える人)と被告との間で訴訟が始まっているときに,この訴訟に関係のある人に対して送られてきます。分かりにくいですよね,前回,前々回のブログの例で説明します。

 前回の例は,Aさんは,友人のBさんから,1年後に返すという約束で200万円を借りました。Bさんは1年後にAさんがちゃんと返してくれるのか心配だったので,Aさんに200万円を貸す際に,Aさんの弟のCさんにAさんの連帯保証人になってもらいました。1年後,BさんはAさんに何度も返済を求めますが一向に返してくれません。そこで,Bさんは,連帯保証人のCさんを訴えました,というものです。
 このとき,原告はBさん,被告はCさんです。AさんはBさんから訴えられていないため被告でもないですし,もちろん原告でもありません。訴訟に全くかかわっていません。
 こんなとき,Cさんは,訴訟告知という制度を利用して,Aさんに対して訴訟告知書を送ることが考えられるのです。訴訟告知書は,訴状のときと同じように,裁判所に提出して,裁判所が特別送達でAさんに送ることになります(民事訴訟法53条3項,民事訴訟規則22条を参照)。これが,「訴訟告知」書が裁判所から届く一場面です。
 では,Cさんは,なぜこの制度を利用しようと考えたのでしょうか。次回は,この点をみていきましょう。

 

【ブログ】もしも裁判所から書面が届いたら? 第2回

2018-04-30

 みなさん,こんにちは。東京都千代田区神田にあるアトラス総合法律事務所の山本です。
さっそく,前回の続き,Bさんから訴えられた被告のCさんには,裁判所からどのような書面がどのような方法で届くのか説明していきます。

 Bさん(及び弁護士)は,裁判所に訴える際,訴える内容(誰に何を請求するのか等)を記載した「訴状」という書面を,裁判所に提出します。このとき,裁判所分と相手方のCさん分の計2通を提出します。
 そして,この訴状を受け取った裁判所は,裁判所分は保管し,Cさん分を「特別送達」という厳格な方法でCさんに郵送します。この書面は,基本的に裁判所の茶封筒に入っていて,「○○裁判所」や「特別送達」という文字が入っています。そして,郵便局の人が,原則として本人(Cさん)に手渡しで渡してサインをもらいます。渡し間違いがあったら大変なことになる書面ですから,書面の渡し方が民事訴訟法や郵便法という法律で厳格に決まっているのです。ということはみなさん,裁判所から請求はがきやEメールで書面が届くことはありませんし,ましてやラインで届くなんてこともありません。このような方法で裁判所(を語った誰か)から書面が届いたら,間違いなく「詐欺」です。警察に言いつけて,やっつけてもらいましょう。
 さて,Cさんに届いた裁判所からの書類の中には,Bさん(及び弁護士)が作成した訴状とともに,裁判の初回の日程が書かれた書類や反論を書くことができる書類が入っています。Cさんは,中身を確認してBさんから訴えられたことを知り,自分ひとりで対応する自信がなければ,弁護士に対応を依頼することになる,というのが一般的な流れになると思います。

 以上が,裁判所から書面が届く一場面です。次回は,今回みた「訴状」ではなく,「訴訟告知書」が届く場面を見ていきましょう。

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