【コラム】「贈与契約」

2021-02-17

 こんにちは。東京都千代田区神田にあるアトラス総合法律事務所の原澤です。

今回から前回紹介した典型契約をちょっと詳しく見ていこうと思います。今回は「贈与契約」について説明していきます。

 

 

 

 「贈与契約」は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思表示をし、相手方がこれを受諾することで成立する契約です。(民法549条)ざっくりと言えば、「これあげる」というやつですね。贈与契約は、当事者の合意のみで成立する諾成契約と言われる類型であり、言ってしまえば、口約束でも有効に成立し、贈与者は財産権移転義務を負います。

 

 もっとも、贈与契約は書面にしておかないと効力が弱いものになってしまいます。(550条参照)これは、書面を要求することで、権利関係を明確にして後日に紛争を防止するとともに、軽率な贈与の予防が目的と言われています。平たく言ってしまえば、あとで言った言わないの争いが起きないようにする、本当にあげていいのか贈与者によく考えてから行動させるということですね。

 

 

 贈与契約には「定期贈与」、「負担付贈与」、「死因贈与」といった種類のものがあります。「定期贈与」は一定期間ごとに財産を贈与する場合、「負担付贈与」はもらう側も一定の義務を負う場合、「死因贈与」はあげる側が死亡したときに効力が発生する場合です。

 

 

 

 具体的な事例で説明します。と言ってもこれはみなさんの日常にも結構近い契約類型なのではないでしょうか。

 

 大学に無事合格したA君は、おばあちゃんからお祝いとしてお金をもらいました。これもお金という財産を、おばあちゃんがA君にあげるという意思表示をし、A君がそれに同意しているので立派な贈与契約です。

 

 また、高校の卒業旅行に行ったA君は、家族に対してお土産としてお菓子を買ってきました。これもお菓子という財産を、A君がかぞくにあげるという意思表示をし、家族がそれに同意しているので贈与契約成立ということになります。

 

 

 ここで悩ましい問題があります。A君はバレンタインデーにBさんからチョコレートをもらいました。これも当然贈与契約が成立しています。しかし、バレンタインデーをもらったA君としては1か月後にお返しをすることになりますよね。

 ここで質問です。これは先ほど紹介した贈与契約の類型のどれかにあたりそうな気がしませんか??

 

 

 A君としては1か月後にBさんにお返しをあげるという義務を負う「負担付贈与」にあたるかもしれません。

 

 

 実際にはどうなるのかはわかりませんし、日常でいちいちこんなことを考えていたら、「変な人」と言われるかもしれません。しかし、ふとした時に自分が今やったことが法律上はどんな意味があるのかなんて考えてみると面白いかもしれませんね。

 

 

 

 今回は以上になります。次回は「売買契約」について扱います。

  

  

 

 

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