【ブログ】労働者性の判断基準(第2回)
こんにちは。東京都千代田区神田にある法律事務所、アトラス総合法律事務所の佐々木です。
1 前回の続きです。
前回は、労働基準法9条のいう 「労働者」 は、指揮命令下で労務を提供し、その対価として使用者から賃金を受け取る者、とされていると書きました。しかし、この言葉ではイマイチどういう人が 「労働者」 にあたるのか、少し抽象的です。そこで、昭和60年に出された労働基準法研究報告によれば、判断基準(労働者性の判断基準のことを 「使用従属性」 と言ったりします。)については、以下の要素を考慮するとされています。
2 (1) 使用従属性の判断
① 仕事の依頼、業務従事の指示等に対する諾否の自由
② 業務遂行上の指揮監督の有無
③ 時間的・場所的拘束性の有無
④ 代替性の有無
⑤ 報酬の労務対償性
これらが先に述べた 「使用従属性」 の判断要素です。なんか、いっぱいあって 「労働者」 を判断するのって大変そう・・・って思いますよね。
基本的には上記の基準で使用従属関係から 「労働者性」 を判断するとされていますが、この基準だけでは判断できないような場合(①~⑤まで見てみたけど、まだ 「労働者」 と評価できるほどの使用従属性があるとは判断できないような微妙な場合)には、さらに 「労働者性」 を肯定するタメの補強要素が検討されます。その補強要素としては以下のものがあります。
(2) 補強要素
ア 事業者性 (実際に仕事に使う本人所有の機械がすごく高価とか)の有無
イ 専属性 (他者の業務に従事することが制度上制約されているとか) の程度
ウ その他
3 それでは、具体的に使用従属性の要素 ①~⑤、補強要素 ア~ウ はどういうことを指しているのか。その説明は・・・
いっぱいあって頭が痛くなってきたので次回に続く・・・。