Archive for the ‘Q&Aご質問ご回答’ Category
【Q&Aご質問ご回答】管財事件とは
Q: 管財事件とはなんですか?
A: 管財事件とは、裁判所によって選任された破産管財人が、破産者の財産を換価して得た金銭を債権者に配当する手続をいいます。これが破産手続の原則形態ということになります。
Q: 少額管財事件とはなんですか?
A: 管財手続においては、裁判所によって破産管財人が選任されるため、破産管財人が管財業務を遂行するための費用や破産管財人への報酬として、申立人が引継予納金を用意する必要があります。その額は数十万かそれ以上になる場合もあります。
少額管財事件とは、この引継予納金を少額に設定した手続です。東京地方裁判所の運用では、少額管財事件の引継予納金は20万円からとされています。
【Q&Aご質問ご回答】同時廃止手続とは
Q: 同時廃止手続とはなんですか?
A: 破産手続とは、債務者の財産を清算する手続をいいます(破産法2条1項)。「清算」とは破産者の財産を換価して債権者に配当することを意味します。破産財団(破産者の財産の集合体)が貧弱で、その財産では破産手続の費用さえもまかなえないような場合には、清算できる財産がないので破産手続を続けても意味がないことになります。そこで、このような場合、裁判所は破産手続開始決定と同時に、破産手続廃止の決定を行います。これをいわゆる「同時廃止」といい破産管財人が選任されない手続となります。
【Q&Aご質問ご回答】この手書遺言書は有効or無効?
Q: 祖母がくなった際,手書きの遺言書が入った封筒が見つかりました。
祖父は既に他界しており、相続人は母と母の姉の2名。祖母の自筆証書遺言の記載内容は、「母と本人に相続財産を譲る」との事でしたが押印はありませんでした。この場合、この遺言書は有効と判断してもらえますか。
A: 自筆証書遺言であっても,この場合の遺言書は形式的要件が欠けるので残念ながら効力がありません。押印・日付の記載は不可欠です。
詳細につきましては,2016年4月14日:【ブログ】自筆証書遺言の特徴をご参照ください。
【Q&Aご質問ご回答】遺産分割協議は多数決で決まるか?
Q: 父が亡くなり、相続人は私を含めた兄弟3人です。遺言書は無く、兄弟で相続財産を分ける事になると思いますが、元から兄と仲が悪かったせいか、兄と弟が結託して私に相続財産を一切渡さないように親族を巻き込んで説得工作をしているようです。もし、他の兄弟や親族から相続財産を放棄するように迫られた場合、多数決で遺産分割の内容が決まってしまうのでしょうか?
A: 遺言が無い場合、相続人全員で遺産分割協議を行う事になりますが、遺産分割協議は相続人全員が内容に納得した上、署名押印することではじめて合意があるとして効力が生じます。つまり、相続人の中で一人でも遺産分割の内容に納得せずに署名押印しなければ合意に至りませんので、遺産分割協議は不成立となります。つまり、あなたが反対すれば多数決で押し切られることはありませんので、遺産分割の内容に不服なら署名押印するのは控えてください。