東京都千代田区神田にあるアトラス総合法律事務所弁護士の原澤恭平です。
2023年になり企業倒産件数が増加しています。2023年6月には700件以上の倒産件数があり、負債総額10億円を超える倒産も存在したというデータも存在します。
本コラムでは、増加傾向にある倒産事例のうち、特にコロナ融資関連倒産について注目していこうと思います。
企業の倒産状況
2023年になり、毎月数百件もの企業が倒産しています。直近の2023年6月には700件以上の企業が倒産しており、そのうち新型コロナウイルス関連倒産は300件以上に上るというデータも存在します。倒産件数は、連続的に前年同月を上回るという状況が続いており、今後も企業倒産数が増加することが予想されます。
倒産件数を都道編別にみると、東京都が100件以上であり、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県・・・と数十件規模で企業倒産が起きている都道府県も多数存在します。
コロナ融資関連倒産
コロナ融資とは、新型コロナウイルス感染症で売上が減少した企業等に対し行われた事業者向けの各種融資のことです。コロナ融資の中には、実質無利子・無担保で融資がなされる、いわゆるゼロゼロ融資と呼ばれる仕組みも存在します。
コロナ融資であったとしても、これは資金の借入れである以上、借り入れた事業者は返還する必要があります。上記ゼロゼロ融資の返済開始が今年の夏ごろからピークを迎えるといわれています。コロナ融資によりコロナ禍においても何とか経営を行っていた事業者にとっては、物価高と合わせて重い負担がのしかかることになります。
そのため、コロナ以前のように経営が回復していない事業者をはじめとして、倒産件数のさらなる増加が予想されます。
返済ができない場合の対処法
借入金の返済ができない見込みであるという場合、民事再生や破産といった法的手続の検討が必要になります。
しかし、自分(自社)が置かれている状況を前提として採り得る選択肢がわからないという方も多いと思います。その場合は、経験豊富な弁護士に相談することにより、具体的なアドバイスを得ることができ、より良い結果につながる可能性が高まります。
ただし、借入れ状況は刻一刻と変化するものであり、相談の時期が遅れると採れる選択肢が少なくなってしまいます。そのため、専門家への早めの相談をお勧めします。
〈参考文献〉
・株式会社東京商工リサーチ (https://www.tsr-net.co.jp/news/status/detail/1197798_1610.html)
・中小企業庁 (https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/tousan/index.htm)