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コラム

COLUMN
作成日:2024.09.30 最終更新日:2024.10.08

誰にも知られず解決|地方で飲食店を経営するB型肝炎患者の事例

B型肝炎 請求 弁護士

ご相談の経緯

依頼者は、ある地方において夫婦で弁当屋を営んでいる女性で、相談時から20年以上前に、当時勤めていた会社の健康診断でB型肝炎の慢性肝炎であると診断され、自身がB型肝炎に罹患していることを知りました。そして、最近になってB型肝炎給付金の存在を知り、訴訟を考えるようになりました。

一度は地元の法律事務所に相談に行きましたが、B型肝炎であることが周りに知られるリスク及び弁護士との相性の不一致から依頼をするには至らず、B型肝炎訴訟そのものを諦めてしまいそうになっていました。その折、弊所が地方で出張型のB型肝炎訴訟の相談会をすると聞きつけ、同相談会に参加しました。

依頼者:地方在住の女性
症状:慢性肝炎
給付金額:1250万円
特殊事情:飲食店を経営

問題となった点、弊所での対応

弊所に依頼することで、B型肝炎と知られる危険を回避

現在は昔に比べてB型肝炎に対する正しい知識が広まってきていますが、それでも地方のような理解が進んでいない地域では、いまだにB型肝炎患者に対する差別や偏見が残っているそうです。そして、依頼者は弁当屋という食品を扱う仕事を生業としていることから、自身がB型肝炎であることが周囲に露呈し、弁当屋の経営に支障が出ることは避けたかったそうです。

実際には、B型肝炎患者が作ったお弁当を食べたとしても、それによりB型肝炎に感染する危険はまずありえません。ですが、B型肝炎の知識がない人、知識はあるとしても心理的に受け入れられないという人が一定数いることを依頼者は知っていたため、家族以外の人には自身がB型肝炎であることを気付かれないように生きてきました。

そして、B型肝炎訴訟を本格的に考え始めた依頼者は、法律事務所に相談に行くことにしました。地元から離れた法律事務所の方が周りの人に見られる危険性は低いとは思いましたが、遠くの法律事務所まで行くのは面倒だし、少し相談に行くだけだからそんなに心配する必要もないだろうと考え、地元の法律事務所へ相談に行きました。

ですがその後、弁当屋で働いていた際に、お客さんから「法律事務所へ行っていたけど何かあったの?」と聞かれ、自身が法律事務所へ相談に行っていたところを見られていたと知りました。幸い、そのお客さんにはB型肝炎訴訟の相談に行っていたことを知られることはありませんでしたが、弁当屋をやっていたことで自身が思っていた以上に町の人々に顔が知られていることを知った依頼者は、もう地元の法律事務所に相談に行くことはできないと考えました。

そのように考えていた折、依頼者の地元から少し離れた地域に住んでいた姉が、同地域で開催される弊所の出張型B型肝炎相談会のチラシを見つけ、依頼者に同相談会の存在を紹介しました。相談会は、商工会議所内の会議室の一室を使って行っていたので、商工会議所に入っていくところを周りの人に見られてもB型肝炎の相談であるとはわかりにくくなっており、また、依頼者の地元からも離れていたので地元の人に見られる危険性も低くなっていました。

そのため、ここであれば地元の人にB型肝炎であることを知られる危険性は低いと考え、同相談会に参加しました。そして、その相談会で、訴訟提起により周りの人にB型肝炎であることを知られてしまうのが怖い、という胸の内を明かしてくださいました。

地方でB型肝炎訴訟を提起しようとするにあたって、地元の法律事務所に依頼した場合、おそらく大体の法律事務所が裁判所とのやり取りの利便性から、その地域を管轄する地方裁判所に提訴するかと思います。

そして、公開の裁判手続きが行われると、裁判傍聴に来た人には「原告の○○」というように、B型肝炎訴訟を行っている人の名前が知られてしまう可能性があります。地元の人であれば名前を聞くことでその人が特定できてしまう場合もあり、結果的にその人がB型肝炎に感染していると発覚することにつながります。

そのため、可能性としてはそこまで高くはありませんが、地元でB型肝炎訴訟をするとB型肝炎であることが周囲に露呈する危険性があります。
ですが、B型肝炎訴訟は、必ずしも自分の住んでいる地域の裁判所で行う必要はありません。B型肝炎訴訟は、①その人が現在住んでいる地域の地方裁判所、②東京地方裁判所、③集団予防接種を受けた地域の地方裁判所のどこにでも提起することができます。

そこで、このような悩みを抱えていた依頼者に対しては、あえて地元ではなく東京地方裁判所で裁判を行うことで、周囲の人にB型肝炎であることを知られないようにすることを提案しました。また、依頼者とのやり取りも極力電話や郵送にすることで、遠方から東京まで来ていただかなくてもよいようにしました。加えて、弊所からの郵送物も、法律事務所である弊所の名前を記載しないようにし、依頼者が法律事務所とやり取りをしていることすらも周囲に知られぬよう細心の注意を払うこととしました。他にも、病院へのカルテ開示請求は弊所が行うこととし、依頼者が病院においてカルテ開示請求を行っている姿すらも周囲に見られずに済むよう、配慮しました。

丁寧かつ十分な説明が依頼者の安心・信頼に

先述したように、依頼者は弊所の相談会の前に一度だけB型肝炎訴訟を取り扱っている地元の法律事務所に相談に行きました。裁判自体初めてのことで不安だらけだった依頼者は、裁判の流れや費用、依頼者のケースで認められる給付金額、給付金が認められる見込みなど様々な点について質問するつもりでした。

しかし、その法律事務所での相談は、「あなたは何もわからなくていい、私に任せておけば大丈夫」という調子で、弁護士から一方的に質問、説明がされるのみで、依頼者が聞きたかったことはほとんど聞けませんでした。また、裁判費用の内訳を質問した際には、専門用語を用いられたり、「給付金の何%」という説明の仕方をされたりしたせいで、具体的にいくら費用を請求されるのか理解できなかったそうです。勝てる見込みも分からないままお金だけを取られてしまうのではないかという不安から、結局その法律事務所には依頼しなかったそうですが、このことから弁護士は自分を食い物にしようとしているのではないか、という不信感、恐怖感を持つようになってしまいました。

それでも、B型肝炎訴訟の給付金を諦める気持ちになれなかった依頼者は、他の法律事務所に相談に行くことを考えました。もっとも、地元の他の法律事務所は先述の通り周りの人に見られるリスクがあるし、一度目の法律事務所であのような対応をされたこともあって、地元の他の法律事務所に相談に行く気にはなれませんでした。そのような中、弊所の出張型B型肝炎相談会を知り、同相談会に参加しました。

弊所は相談者の話にしっかりと耳を傾け、相談者の不満や悩みが何であるかを適切に把握すること、及び法的知識のない方にもわかるような丁寧な説明をすることを心がけております。

本件の依頼者の相談時にもこの姿勢で依頼者とコミュニケーションを取ることで、先の法律事務所での相談の際には質問できなかった裁判費用のことや裁判の流れ、給付金が認められる見込みといった点についても十分な理解をしてもらうことができました。周囲へのB型肝炎発覚のリスク及び先の法律事務所で生じた不信感から一度はB型肝炎訴訟を諦めようとしていた依頼者にとって、これらの問題を解消してくれる法律事務所に出会えたことは何かの縁だと感じました。また、相談段階でこれだけ丁寧かつ親身に話を聞いてくれる弁護士であれば、実際に訴訟をした際にもきっと力になってくれるだろうとも考えました。

これらのことから、他でもなく弊所に依頼したいと思い、弊所にB型肝炎訴訟の委任をすることになりました。

病院の閉鎖によりカルテの取得が不可能に

相談当初、依頼者からは母子手帳の所持、ジェノタイプがAe型以外であるといった情報を聞いたため、弊所は依頼者がB型肝炎給付金を認められるための重要な要件を複数満たしているものと判断しました。そのため、あとは対象となるカルテを用意できれば給付金が認められるという状況であり、依頼者にも給付金が認められる可能性は比較的高いとお伝えしていました。

そして、実際に依頼を受けてカルテの開示請求を各所にしていたところ、そのうちの一つに依頼者がかつて利用していた病院がありました。しかし、同病院にカルテを請求しようとしたところ、同病院は既に廃業しており、必要なカルテの取得ができませんでした。同病院は、依頼者がご実家に住んでいたときに利用していた病院であり、最近は全く利用していなかったために依頼者も廃業していたことを知らなかったそうです。病院がなくなってしまったことで、カルテも当然処分されてしまっており、もはやどうやってもカルテの取得は叶わなくなってしまいました。

カルテがなくなってしまっている場合、当該医療機関から医療記録が存在しないことの証明書を提出してもらう必要があります。しかし、今回は病院が廃業していたためにこの不存在証明書を提出してもらうことすらできないという状況でした。
病院が廃業してしまっているというのは弊所でも経験のない事態ではありましたが、カルテあるいは不存在証明書に代わるべき資料としてどういったものが考えられるかを検討し、適切な資料を用意することで無事対応することができました。

誰にも気付かれず迅速に和解が成立

地元の法律事務所に依頼することで周りの人にB型肝炎であることを知られるリスクから、一度は給付金を諦めてしまいそうになっていた依頼者でしたが、弊所に依頼し、地元から離れた東京の裁判所で訴訟を行ったことで、依頼時から和解成立に至るまで誰にも知られることなく訴訟を行うことができました。

そして、病院が廃業しておりカルテが取得できないという不測の事態こそありましたが、適切な代替資料を用意したことで問題なく訴訟が進行し、迅速に1250万円の給付金が認められました。

地元から離れた弊所に依頼し、東京地方裁判所で裁判を行ったことで、依頼者は周りの人にB型肝炎であると気付かれるかもしれないという不安もなく、訴訟中も安心して過ごせたそうです。

和解が成立した際には、相談時から和解成立までの弊所の対応に大変喜んでくださり、今後も何かあったときには弊所にお願いをしたいとおっしゃってくださいました。

弁護士からのメッセージ

B型肝炎に対する偏見や差別は、正しい医学的知識が一般的に広まってきたことで、昔に比べると少なくなってきています。しかし、まだ全ての人が正しく理解を出来ているわけではないため、なお差別や偏見は残っています。そのため、本件の依頼者以外にもB型肝炎であることを周りに知られたくないという気持ちから、B型肝炎訴訟そのものを諦めてしまいそうになっている方がいるかもしれません。

ですが、本件のように訴えを提起する裁判所の場所や連絡方法等を工夫することで、最後まで周囲の人にB型肝炎であることを知られずに給付金を受け取ることは可能です。

そして、弊所はB型肝炎患者に対する偏見や差別がなお残っていることを理解しているため、依頼者がB型肝炎であることを周囲に知られないように最大限の配慮を行うように心掛けております。あえて地元の法律事務所でなく、東京という離れた地域にある弊所を選ぶことがメリットとなる本件のようなケースもあるため、地方に在住の方も是非お気軽に弊所までご相談ください。

また、本件で見ていただいたように、個々の法律事務所によって弁護士の考えや依頼者との関わり方は異なってきます。ですが、裁判をする場合、その結果によってその後の自分の人生が大きく左右されることもあり得ます。自分の今後の人生を左右する可能性のある事柄を弁護士に依頼する以上、その弁護士にこの問題を任せてもいいと思えるか、信頼関係を築くことができるかという点は特に重視して弁護士を選ぶ必要があると考えます。

一度どこかの法律事務所に相談に行った際に、自分には合わないなと思ったら、ぜひ弊所にもご相談に来てみてください。あなたの不満や悩みに親身に寄り添い、お力になれるよう尽力させていただきます。

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