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作成日:2020.10.02 最終更新日:2021.11.22

委任契約

 こんにちは。東京都千代田区神田にあるアトラス総合法律事務所の原澤です。今回も引き続き典型契約について見ていきましょう。今回は、「委任契約」について説明していきます。

 
委任契約とは、「当事者の一方が法律行為をすることを相手方に約し、相手がこれを承諾することによって効力を生じる」契約です。(643条)前回までに扱った委任契約・請負契約とよく似ていますね。

 委任契約とは、一方が「法律行為」をすることが契約内容になります。具体的には、医師の診察や弁護士の案件処理などを頼むことがこれにあたります。一方で「事実行為」をすることが契約内容になっている場合は、「準委任」といわれます。もっとも、準委任にも委任の規定が適用されます(656条)ので、今回はこれらを特に区別しないで説明していきます。

 委任契約が締結されると、受任者(一定の行為を頼まれた側)はざっくりと言えば頼まれた行為をする義務が発生します。例えば、委任者(頼んだ側)の利益のために行動しなければなりませんし、委任者の請求があった場合には、状況を報告しなければなりません。
また、委任者は特定の個人を信頼してある行為をすることを頼んでいるため、一定の例外を除き受任者は自分で事務処理を行わなければなりません。(644条の2第1項)これは、考えてみれば当然のことですよね。例えば医師に診察を頼んだのに、その医師がちょっと忙しいからといって自分の友人に変わりに診察を任せたとしたらとても困りますよね。

ここまでは受任者側の義務の話をしてきました。ここからは受任者の権利、特に報酬請求権の話をしていきます。具体的事例で見てみましょう。

大学生のA君は友人に大学の試験対策をやってくれと頼まれ、やってあげることにしました。ここで委任契約が成立したと考えてください。そして、A君は授業内容をまとめ、過去問の答えを作り、友人に試験で出そうな重要事項についてのレクチャーをしました。そして無事に試験が終わった後のA君の発言が問題になりました。

「今回の試験対策は割と大変だったから今度なんかおごってくれよ!」

このA君の発言は自分が行った行為に対する報酬を請求しているものになります。果たして、A君のこの請求は認められるのでしょうか。

「当然認められるでしょ」と思った方も多いのではないでしょうか。しかし、法律的に考えてみるとそうとも言えません。民法648条1項をご覧ください。

受任者は、特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができない。

この規定からわかるように、委任契約は無報酬が原則ということになります。これが前回までに扱った雇用契約・請負契約と大きく異なる点ですね。もっとも、特約があれば報酬を請求することはできますし、商人間では当然報酬を請求することができます。(商法512条)

みなさんも委任契約を締結する際は、報酬についての特約を忘れないようご注意ください笑

今回は以上になります。次回は「寄託契約」について説明します。
 

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