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作成日:2024.07.31 最終更新日:2024.07.31

B型肝炎といわれたら|B型肝炎になると給付金がもらえる?

B型肝炎給付金って?

テレビの広告などで、「B型肝炎給付金請求」という話を聞いたことがある方もいらっしゃると思います。これは、昭和23年から昭和63年までの間に行われた集団予防接種等の際に、注射器が連続使用されたことが原因でB型肝炎ウイルスに持続感染した方に認められる、国に対する損害賠償請求です。そしてこの請求が認められると、症状によって金額に差は出ますが、最大で3600万円の給付金を国から貰うことができます。
このコラムでは、B型肝炎に関する基礎知識から、給付金訴訟を提起できる人はどういう人なのか、自分でもできるのかといった訴訟に関して多くの人が気になる点についてお話しします。

B型肝炎の基礎知識

B型肝炎とは?

B型肝炎ウイルス(HBV)に感染することにより生じる肝臓の病気のことをいいます。現在の日本での感染者数は人口の2%以下とされていますが、人数でみてみると約110万~140万人ということになり、感染者数の多い病気であることが分かります。

B型肝炎にかかる原因

ア B型肝炎の感染経路

B型肝炎ウイルス(HBV)を有する人の血液や体液が、他の人の体内に入り込むことで感染します。B型肝炎訴訟において問題となった感染経路は、注射針の連続使用により他の人の体内にB型肝炎ウイルスが入り込んだというものです。他にも、性交渉や輸血、B型肝炎にかかっている母親からの出産の際に母子感染として感染する場合などがあります。

また、汗や唾液、涙を介して感染することもあるということが分かっており、日常生活の中で思いがけずB型肝炎に感染してしまう場合もあります。

そのため、B型肝炎患者本人はもちろん、B型肝炎患者と生活をする人も、血液や唾液等による感染のおそれのある行為をしないよう注意して生活しましょう。

イ B型肝炎に感染する危険のない行為

握手をする、同じお風呂に入る、B型肝炎患者の服と一緒に洗濯をする、というようなことによって感染する危険はないとされています。

そのため、家族にB型肝炎患者がいるからといって過度に避けたり、一緒の生活をやめなければならなかったりするということはありません。過度な接触をしないように気を付けて生活することで、周囲の人へのB型肝炎の感染は防げます。

B型肝炎にかかるとどうなる?

まず、B型肝炎の感染の種類には、一過性感染と持続感染の2種類があります。そして、その種類によりその後の症状に差が出てきます。

ア 一過性感染とは

一過性感染(急性肝炎)とは、感染してから数カ月の間に免疫機能によってB型肝炎ウイルスが体外に排出され、元の状態に戻る場合をいいます。一過性感染の場合には、肝細胞が炎症を起こすことで、次のような症状が現れますが、数カ月以内に治癒し、肝機能も正常に戻ります。
・倦怠感
・吐き気
・食欲不振
・黄疸

イ 持続感染とは

持続感染とは、6カ月以上にわたってB型肝炎ウイルスが肝臓にとどまってしまう場合をいいます。持続感染の場合には、次のような重い症状が現れることがあります。もっとも、中には無症候性キャリアといって、持続感染しているけれども症状が出ない、という方もいます。
・慢性肝炎
・肝硬変
・肝癌

上記の慢性肝炎、肝硬変、肝癌といった肝臓の疾患は、アルコールの過剰摂取等によって発症することがあるのは知られているかと思います。しかし、日本における肝炎の原因のほとんどは、意外にもB型肝炎等のウイルス性によるものです。そのため、これらの病気を患ったことのある人は、B型肝炎の感染も疑った方がよいかもしれません。

キャリア、無症候性キャリアとは?

B型肝炎について調べていると、「キャリア」という言葉を聞くことがあるかと思います。キャリアとは、B型肝炎に持続感染(6カ月以上に亘って感染)していることをいいます。
無症候性キャリアとは、先ほども説明したように、B型肝炎に持続感染してはいるけれども、これにより何らかの病気を発症しているわけではない状態の人のことを指します。

ですが、無症候性キャリアの人も今後、慢性肝炎、肝硬変などの重い症状を発症する危険性は十分にあります。無症候性キャリアの人は、肝硬変や肝がんといった肝臓の不調が症状として身体に現れるわけではないので、自身がB型肝炎に感染していることに気づかないことも多いです。

そして、無症候性キャリアの方もB型肝炎に感染している状態であることに変わりはないため、自身がB型肝炎に感染していることを知らないがために、知らず知らずのうちに周囲の人に感染させてしまっているケースもあります。

B型肝炎訴訟により給付金を得られるかも!

B型肝炎にかかったことのある人のうち、上記の持続感染の分類にあたる人(無症候性キャリアも含む)は、B型肝炎訴訟により給付金を得られる可能性があります。
一過性感染か持続感染かは医療機関にて検査をしないと判断できないことです。そして、その判断方法は6カ月以上の間隔を空けた2時点において、B型肝炎に感染しているかにより判断されます。

そのため、過去に一度でもB型肝炎に感染していると言われたことのある人は、そのように言われた時から6カ月以上の期間を空けて再度医療機関にて検査をし、自身が一過性感染なのか持続感染なのかを確認しましょう。

B型肝炎訴訟について

先ほども説明した通り、B型肝炎に感染している人は、国から給付金を貰うことができる可能性があります。もっとも、B型肝炎に感染しているからと言って、全員が全員もらえるわけではありません。あくまでも、国によって行われた集団予防接種が原因でB型肝炎に持続感染したという人が対象となります。

請求できる人

集団予防接種により直接B型肝炎に感染した、いわゆる一次感染者は、徒然に給付金を貰うことができます。そして、一次感染者から生まれた子供で、親がB型肝炎であるために出産時などにB型肝炎に感染してしまった人は、二次感染者として一次感染者と同様に給付金を貰うことができます。

A 一次感染者(予防接種で感染した人)

① B型肝炎に持続感染している
② 昭和16年7月1日から昭和63年1月27日の間に生まれている
③ 上記期間内において、満7歳までに集団予防接種を受けたこと
④ 集団予防接種以外に感染原因が無いこと    

B-1 二次感染者(B型肝炎の母親からの感染)

① 本人がB型肝炎に持続感染している
② 母親が上記一次感染者の全ての要件を満たしている
③ 本人のB型肝炎の感染経路が母親からであるといえること

B-2 二次感染者(B型肝炎の父親からの感染)

① 本人がB型肝炎に持続感染している
② 父親が上記一次感染者の全ての要件を満たしている
③ 本人のB型肝炎の感染経路が父親からであるといえること

手術の際にした輸血やB型肝炎にかかっている人との性交渉により感染したというような人は、B型肝炎給付金の対象外となります。

過去にB型肝炎に感染していた人

過去に一度でもB型肝炎にかかっていると言われたことのある方は、B型肝炎訴訟給付金の支給対象の可能性があります。しかし、先ほど説明したいわゆる一過性感染の方(6カ月以上の期間を開けた2時点においてB型肝炎に感染していたといえない人)は、持続感染とはいえず給付金請求は認められません。

B型肝炎でもらえる給付金の金額

大まかに分けると、以下のような区分になります。もっとも、請求するのが遅くなると、除斥期間という給付金額が減少してしまう制度があります。除斥期間は20年と決まっていますが、各人の症状等によりどの時点から除斥期間が開始するかは変わってきます。できるだけ早く弁護士などに相談して請求しましょう。

  (イ)死亡・肝がん・肝硬変(重度)           3,600万円
           除斥期間経過後                      900万円

  (ロ)肝硬変(軽度)               2,500万円
     除斥期間経過後で現に治療中の方        600万円
     除斥期間経過後で治療を受けていない方     300万円

  (ハ)慢性肝炎                    1,250万円
     除斥期間経過後で現に治療中の方        300万円
     除斥期間経過後で治療を受けていない人     150万円

  (二)無症候性キャリア                  600万円
      除斥期間経過後  50万円+定期検査費の支給等の政策対応

B型肝炎訴訟は弁護士にお任せください

自分でも給付金請求できるのか?

B型肝炎訴訟は、弁護士に依頼せずともご自身で行っていただくことが可能です。しかし、具体的にどのような書類を集めればよいのかは各人によって変わってきますし、訴訟である以上、法律知識も必要となってきます。また、仮に資料収集などが十分にできなかった場合、本来認められるはずだった給付金が認められないという事態にもなりかねません。そのような最悪の事態を回避するためにも、弁護士に依頼することを強くお勧めします。

B型肝炎訴訟の提起を迷っている方

様々な理由で、今までB型肝炎訴訟を提起しなかった方々がいらっしゃるかと思います。
例えば、そもそもB型肝炎訴訟により給付金を貰えることを知らなかった、知ってはいたけど資料収集が面倒でやりたくない、周りの人にB型肝炎だと知られるのが嫌だ、無症候性キャリアだと貰える額が少ないからわざわざ訴訟を提起したくない、といったものが挙げられます。

ですが、弁護士に依頼すれば面倒な資料収集・書類作成の大部分を弁護士が本人に代わって行ってくれますし、本人が裁判所へ出廷するなどの必要もなくなるため、周りの人にB型肝炎のことを知られるおそれもありません。

また、いまは無症候性キャリアでも、今後肝硬変などの重い症状を発症するおそれがあります。現時点で無症候性キャリアとして給付金が認められた場合、今後症状が悪化した場合には、その症状に応じて追加の給付金を取得することができます。そして、その際の手続きは訴訟という面倒な手続きは不要で、簡単な書類をいくつか提出するだけで済ませることができます。

つまり、現時点で訴訟を提起しておくことで、結果的に将来の負担を軽減することにつながります。

請求できるのは令和9年3月31日まで!

本来、令和4年1月12日までがB型肝炎給付金の請求期限とされていました。しかし、当時、請求をしている人があまりにも少なかったことから、令和9年3月31日まで請求期限が延長されることとなりました。

厚生労働省によると、給付金の支給対象となる人は約45万人にのぼると考えられているところ、令和2年10月末までにおける提訴者は半分にも満たないわずか約8万2千人だったそうです。つまり、大多数の人が給付金請求をできるのに、これをしていないのです。

今後、厚生労働省が再び請求期限が延長されるかは今のところ不明です。今回が給付金を貰える最後のチャンスになるかもしれないため、給付金の対象となる可能性のある人は、早めに弁護士に相談しましょう。

弊所の実績

弊所では、B型肝炎患者本人の訴訟のみならず、既に亡くなってしまったB型肝炎患者のご遺族による給付金訴訟、資料が古くて十分に取得できないといった複雑なケースの依頼でも給付金が認められたという実績があります。他の事務所で断られたような方も、弊所にてご相談いただければ力になれるかもしれません。

過去に一度でもB型肝炎と診断されたことのある方、ご家族がB型肝炎と診断されたことのある方は弊所までご連絡ください。

また、弊所はB型肝炎訴訟について、全国からのご相談に対応しております。遠方で弊所までお越しいただけない方からのお問い合わせにも対応しておりますので、まずはお気軽にご連絡ください。

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