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作成日:2025.06.25 最終更新日:2025.06.30

コンプライアンスとは

コンプライアンスの説明

こんにちは。千代田区神田にあるアトラス総合法律事務所の豊島です。
今回は、「コンプライアンス」について説明していきたいと思います。コンプライアンスの定義、コンプライアンスの捉え方を中心に、具体例を取り入れながら解説します。

コンプライアンスとは

コンプライアンスとは、一般に「法令遵守」と定義されておりますが、近年では、社会における企業の役割の重要性等に鑑み、単に法令遵守にとどまらず、企業倫理、社会規範、企業の社会的責任(CSR)など、大きな括りとしてコンプライアンスを定義づけ、叫ばれるようになってきました。

例えば、トヨタ自動車株式会社のホームページを見ると、コンプライアンスという見出しの下、「世界中のトヨタで働く人々が、社会・地球の持続可能な発展に貢献していくなかで確立、継承されてきた独自の考え方・価値観・手法……に基づき……「法令遵守はもちろんのこと、誠実な行動を実践し、トヨタに期待された社会的責任を果たす」と宣言しています。

このような定義づけは、対外的に示すばかりでなく、社内的にも一定の方向を目指して仕事をする行動指針としての役割があります。

企業におけるコンプライアンス

企業のコンプライアンス違反は企業のイメージを悪化させ、消費者の購買意欲を減退させることに繋がります。他方で、コンプライアンスを意識することが、企業のイメージを向上させ、消費者の購買意欲を促進することにもなります。また、仮に不祥事が発生しても、その後の誠実かつ迅速な対応によっては、かえって消費者の信頼を得ることができ、購買意欲の回復や企業イメージの向上につながる場合もあります。

企業のコンプライアンス意識の高さが企業のイメージを向上させた例としてジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のタイレノール事件があります。タイレノール事件は市販の鎮痛薬タイレノールに毒物が混入され死者が出た事件で、原因は製造過程ではなく、店頭での第三者による混入によるものと言われています。

しかし、当時のJ&JのCEOは、責任逃れの言い訳もなく、すぐにマスコミを通して消費者がタイレノールを一切服用しないよう警告を発信し、すぐに自主的に商品の回収を行いました。また、異物混入がないように薬のパッケージを作新しました。そして、その結果、J&Jの鎮痛薬タイレノールは事件の発生からわずか2ヶ月後には事件前の売上の80%にまで回復したと言われております。

この事件が発生したのは1982年であることから、今ほどコンプライアンスが叫ばれてはいなかったと思われますが、このタイレノール事件に伴うJ&Jの一連の対応は、広い意味でのコンプライアンス意識の高さから、企業のイメージ向上に繋がった対応といえるのではないでしょうか。

そして、このことは、インターネットの普及により様々な情報へのアクセスが容易になった現代においては、より企業の利益に直接的に繋がるようになってきていると感じます。
そこで、企業にとってコンプライアンスを意識することは極めて重要といえます。

人権意識の高まりとコンプライアンス

また、人々の人権意識が高まったことが昨今においてコンプライアンスが声高に叫ばれる要因になったものといえるのではないでしょうか。
例えば、その昔、「24時間戦えますか」という栄養ドリンクのCMがあったように、今日であれば労働基準違反としてそもそもテレビで流すことはできないであろう内容のものが、その当時においてはテレビに流れておりました。仮に、その当時において労働に対する人々の人権意識が高かったのであれば、多くの人々が見るテレビでこのようなCMを流すことはできなかったと思われます。

このように、コンプライアンスの内容や求められる水準は、時代や社会の価値観の変化に応じて変遷していくものであるといえるのではないでしょうか。

今後のコンプライアンスとの向き合い方

では、コンプライアンスをどのように捉えていくべきなのでしょうか。

コンプライアンスの根底にあるものは、人と人とが様々な形で交流していく中で、不快に感じることのないよう決められた行動指針という考え方のように感じます。

すべての関係者が安心して関わることができる環境をどう維持するかを常に考え、社会の変化に即した判断と行動をとることこそが、真の意味でのコンプライアンス遵守といえるのではないでしょうか。

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