強制的に権利を実現する方法について書きたいと思います。
ここで、履行が不可能になったもの(履行不能)については請求されても履行はできませんので、強制的な手段を求めることができるものは、いまだ履行が可能なものに限ります。
直接強制
契約の目的物が動産の引渡し(一部の動産を除く)であれば、債権者が裁判所に強制履行を請求し、執行官が債務者の下へ行き、債務者の意思に関係なく目的物を取り上げて、債権者へ引き渡します(民事執行法169条1項)。
代替執行
その人じゃなくても実現可能な債務、例えば車の修理などは他の修理業者でも実現可能ですよね。そういった場合には、債権者は、裁判所に、債務者の費用で他の修理業者に修理させることを請求できます(民法414条2項、3項・民事執行法171条1項)。
間接強制
履行がなされるまでの間、債務者にペナルティを科して、債務者に履行をうながす方法を債権者は裁判所に申し立てることができます(民事執行法172条、173条)。例えば、「履行しなければ1日につき〇〇円払え」というような形で、債務者に履行のプレッシャーをかけていく手段になります。
そして、これらの強制的手段が実現された場合であっても、債権者に損害が生じていればプラスして損害賠償請求をすることができます(民法414条4項)。