慰謝料の3つの基準式と計算式
次に重要なのは慰謝料です。
慰謝料についても入通院期間を算定の基礎として算出するわけですが,これも基準があり,自賠責基準,任意保険基準,弁護士会基準があり,裁判で採用される基準は弁護士会基準です。
しかし,交渉中の段階で保険会社が基準にしているのは自賠責基準や任意保険基準です。
自賠責基準は後遺症が認められない限り,上限120万までで,任意保険基準は裁判基準より低額です。
さらに,保険会社によっては,通院の必要がなかっただとか過剰診療だとかケチをつけて治療費や慰謝料の支払いを拒否するケースもありますので,入通院の記録だけでなく,担当医の診断書,さらには担当医に直接問い合わせることも必要になります。
慰謝料については,弁護士を立てて専門的な交渉に持ち込めば,まず増額ができる部分ですので,被害者が受けた精神的苦痛に匹敵する額でなければ,サインすべきではありません。
自賠責基準
自賠責基準は,慰謝料は1日4200円(入院・通院とも)と決まっていて,入院は入院期間を乗じた額,通院は実通院期間の2倍を乗じた額と治療期間を乗じた額のうち少ない日数を乗じた額が慰謝料額となります。
例えば,入院期間20日の場合,
4200×20= 8万4000円
治療期間30日で実通院日数が20日
治療期間30日と実通院日数は40日
(実通院日数は2倍)なら前者
4200×30=12万6000円
任意保険基準と弁護士基準は通院を縦軸,入院を横軸でとって,交差点を損害額とする点で共通しますが,弁護士会基準は他覚症状の有無で表を分けて算定します。
任意保険基準

弁護士基準

同 他覚症状がない場合(むちうち症)
