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不動産

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早い段階で弁護士に相談した場合、被害を最小限にとどめることが出来るかもしれませんので、弁護士に相談することをお勧めします

建物明渡請求について

  • 建物が古くなってきたので、建て替えをしたい
  • 他人に建物を貸していたが、事情が変わり、その建物を自宅として使いたい
  • 借主が家賃を滞納するので、退去してほしい
  • 契約した時の借主と違う人が住んでいるので契約を打ち切りたい
  • 借主と連絡が取れず、家賃も滞納されているので賃貸借契約を終わらせたい

建物のオーナー様や不動産管理会社のご担当者からのご相談には、様々なケースがあります。事情は色々とありますが、これらのご相談に共通していることは、「現在建物を使用している人に退去してもらいたい」という点かと思います。

ご自身の建物を他人が使用している場合、基本的には以下の3つのパターンが考えられます。

不法占拠

建物占有者が何らの権原もないケースがこれに当たります。最近はあまり多くないと思いますが、基本的には、自身の建物所有権を根拠に明け渡しを求めることになります。

使用貸借契約を締結している

「使用貸借」という言葉は聞きなれていないものかもしれません。ごく簡単に説明すると、賃料を支払わずに、建物を借りているケースがこれに当たります。一般的には、親族関係や男女関係など、貸主と借主の間に親しい関係があります。

使用貸借の貸主としては、「親しい関係性があるから」という理由で賃料を払わなくてよいとしていることが多いです。したがって、使用貸借契約が終了するときは、前提にあった当事者の関係が悪化している場合が多く、当事者のみの交渉で解決するのは困難です。

賃貸借契約を締結している

これが最も一般的かと思います。貸主と借主の間で賃貸借契約を締結し、借主はその権原に基づいて建物を使用しているというパターンです。しかし、賃貸借契約の場合、借地借家法と呼ばれる特別法が適用され、明渡請求が認められるためのハードルが非常に高いケースも存在します。

この場合、様々な事情を考慮し、明け渡しを求める「正当の事由」を主張していくことになるため、証拠の収集や資料の作成など、専門家の助力が不可欠かと思います。

また、建物の明け渡しを求める場合、それに納得して自主的に退去してくれる借主もいるでしょう。しかし、こういったケースはそれほど多くはありません。

借主の自主的な退去が望めない場合に、借主から賃貸物件を明け渡してもらうためには、裁判所に「建物明渡請求訴訟」を申立てて、判決等により貸主側の主張を認めてもらう必要があります。また、判決が出されても退去しようとしない借主に対しては、更に「強制執行」手続により明け渡しを求めなければなりません。

上記の借地借家法の関係もあり、最終的な解決に至るまで多大な労力と時間を要します。借主との交渉から始まって、建物明渡訴訟の裁判の資料を作成したり、強制執行の手続きをするなど、これらの手続きを全て貸主自身で対応するとなると、かなりの負担を強いられます。

そのようなときには、ぜひ弁護士などの専門家に法律相談することをお勧めします。当事務所では、今まで携わってきた事件から蓄積されたノウハウに基づき、オーナー様の置かれている状況を伺った上で、解決までの見通しや最適な手段をご提案いたします。

賃貸借契約途中での解消か契約期間満了なのか、又は、明渡理由が主に借主に原因があるのか否か、など様々な要因によって裁判所の判断枠組みが異なってきます。また、事案によっては、代理人を立てずに本人で解決できるケースもございます。

建物老朽化(耐震性能不足)による明渡請求

賃貸物件が老朽化すると、耐震性能が不足し安全上の問題が生じるほか、市場競争力の低下に伴い、空室率につながります。

人が入居していなければ建物は老朽化が加速し、賃料が入らないばかりか修繕費用の増加や税金の負担が重くのしかかります。また、税制面に着目すると、老朽化した賃貸物件をリノベーションや建て替え等を行うことは相続税の節税効果をもたらします。

このように、老朽化した建物をリノベーションや建て替えをするニーズが高まっている昨今ではありますが、ここで一番大変なのは、老朽化の物件に居住する借主との間で建物賃貸借契約を終了させ、立ち退きしてもらう必要があるという点です。

オーナー様はもちろんのこと、このような相談をオーナー様から受けた不動産管理会社の担当者様もいらっしゃると思います。では、実際に借主に賃貸物件を明け渡してもらうためにはどのようにしたらよいでしょうか。

法律上(借地借家法)、建物賃貸借契約を終了させる場合には、①期間の定めのない契約の場合には建物賃貸借契約終了の6か月前に解約の申入れを借主に行い、6か月経過後に借主が建物を利用している場合には、遅滞なく異議を述べなければなりません。

また、②契約期間の定めがある場合には、契約期間終了前の6か月から1年以内に更新拒絶の通知を行い、契約期間満了後、借主が引き続き建物を利用している場合には遅滞なく異議を述べなければなりません。

加えて、①②いずれも共通して、解約申入れや更新拒絶にあたり、「正当の事由」が必要となります。裁判例のこれまでの判断を参考にすると、

  • (1)貸主・借主双方が建物を必要とする事情
  • (2)建物の賃貸借に関する従前の経過
  • (3)建物の利用状況や建物の現況
  • (4)貸主が明渡しの条件として、借主に財産上の給付をする申し出をした場合にはその申し出(いわゆる「立退料」のことです。)

の4要素を総合的に考慮して、正当事由の有無が判断されます。 

このように、裁判を通じて建物明渡しを借主に求めるとなると、「正当の事由」の判断を行うために様々な資料を裁判所に提出し、これを裁判所が判断しなければならないため、裁判が長期化する傾向となっています(裁判が終わるまでに1年以上かかることは良くありうるものです。)。

老朽化した賃貸物件を早急に建て直すためには、やはり出来る限り借主と裁判外での交渉で納得して頂き、建物を明渡してもらうことが肝要です。その為には良好な人間関係を維持し、借主の経済的な事情も汲みつつ借主に説明を行わなければなりません。

しかし、立退料の提示額や退去条件等をいったん誤まって伝えてしまうと、後で立退料を減額するなど、不利益な提案を撤回することは極めて難しくなります。

賃貸物件の立替の必要性を借主に理解してもらいつつ、立退料をなるべく抑えて交渉を進めるには、専門家である弁護士に依頼をされることをお勧め致します。

家賃(賃料)の未払いによる明渡請求

賃貸借契約を終了させて建物明渡を求める原因として、家賃滞納のケースが多く存在します。

「家賃」とは、一般に建物の賃料のことを指します。賃貸借契約が締結されると、貸主としては目的物を使用収益させる義務を負い、借主は賃料を支払う義務を負います。したがって、家賃が滞納されているということは、この借主の義務が履行されていない状態であるということになります。

しかし、家賃が支払われなかったらすぐに建物の明渡請求が認められるというわけではありません。借主は賃借権という正当な権原に基づいて建物を使用しているため、まずは賃貸借契約を終了(解除)し、その効果として建物の明け渡しを求めることになります。

では、賃貸借契約の解除とはどのような場合に認められるのでしょうか。

基本的には、貸主は借主に対して、賃料を支払うように催告をし、この催告後相当な期間が経過したにもかかわらず、依然家賃が滞納されている場合に、賃貸借契約解除の意思表示をすることになります。後の裁判手続きに備えて、内容証明郵便を用いるケースも多いでしょう。

裁判手続きで賃貸借契約解除が争われる場合、「信頼関係の破壊」という視点が重視されます。賃貸借契約の当事者間に契約上の義務の不履行があった場合でも、その態様がいまだ当事者間の信頼関係を破壊するに至らない場合には、契約の解除は認められないとする考え方です。(信頼関係破壊の法理)

賃料の不払いのケースに当てはめると、数日間の家賃滞納程度ではいまだ信頼関係が破壊されるほどの態様ではなく、解除は認められないと思われます。一方で、1年以上にわたり家賃が滞納されているようなケースでは、通常、当事者間の信頼関係は破壊されていると判断されるでしょう。

どの程度の滞納があれば信頼関係が破壊されたといえるのかについて、〇日といった明確な基準は存在しません。もっとも、事案によってではありますが、一般的には3か月程度が一つの基準と考えられています。

建物明渡請求の流れ

建物明渡請求を行うにあたり、一般的な流れについて説明します。

法律相談

建物明渡を求める場合、その明渡しを求める理由が様々あると思います。そこで、(例えば、借主が賃料を滞納しているのか、老朽化のための建替え目的など)、具体的な事情を伺った上、明渡を求める上での見通しや方針についてアドバイスさせて頂きます。

交渉

法律相談で伺った事情を元に、主に借主側に債務不履行が見られないケースの場合には(建替え目的での賃貸借契約解消など)、契約期間中に解約申入れ又は更新拒絶の通知を行い、契約終了にあたって「正当事由」が求められる裁判を行わなければなりません。

このような場合にはかなり裁判が長期化することが想定されるので、迅速な解決のためには、まず初めに借主と裁判外で早期明渡を求めるための交渉を行います。裁判とは異なるので、借主が合意してもらえれば、自由な内容で取り決めることが可能です。

裁判

交渉が決裂した場合や、借主に債務不履行があり、話し合いでは退去してもらえない場合には、裁判(建物明渡請求訴訟)を通じて借主に建物明渡を求め、判決を言い渡してもらいます。明渡しを求める理由によっては、裁判が長期化することも想定されます。

また、事案によっては裁判所より和解案が提示され、双方合意の上で建物明渡の和解がなされるケースもあります。その際に和解で成立した内容は通常の判決と同じ効力を有しています。

強制執行

上記の裁判での判決又は和解によっても借主が退去しない場合には、「強制執行」の手続を用いて借主に退去してもらいます。日本では、貸主自らが強制力を用いて借主を追い出すことは禁じられているため(自力救済の禁止)、裁判所を通して退去を求めなければなりません。

執行分付与、送達証明書等の用意

強制執行を申し立てる前提として必要となるのが、判決や和解調書の正本に「執行文」を付与してもらうことと、判決や和解調書が借主に送達されたことを証明する「送達証明書」等を用意することです。

判決や和解調書の中で定められた権利(「債務名義」と言います。)だけでは、原則として執行することが出来ないので、別途執行力をつけてもらわなければなりません(判決正本等の末尾に「強制執行することが出来る」旨の書類が付け加えられます。)。

債務名義の執行力の存在と範囲を公証するため、債務名義の正本の末尾に付記された文言を「執行文」と言います。

次に、判決や和解調書が借主に送達されて、強制執行の内容を借主が周知しうる状況にしておかなければなりませんので、送達証明書を裁判所に発行してもらいます。

強制執行の申立て

書類が整ったら、賃貸物件の所在地を管轄する裁判所に属する執行官に強制執行の申立てを行います。執行官とは、建物明渡しの執行の事務を担当する、裁判所職員のことです。そして、執行官と「明渡しの催告」の日時を打ち合わせます。

明渡しの催告

「明渡しの催告」とは、債務者である借主に予め引き渡し期限を伝え、その間までに任意の明渡しを促す執行官の手続きを指します。概ね強制執行の申立てから2週間以内に執行官が賃貸物件に赴き、現況を確認した上、室内に入って引き渡し期限日及び強制執行日を記載した告知書、催告書を掲示します。

断行日(明渡し)

引き渡し期限までに借主が退去しなかった場合には、強制執行を行います。具体的には、事前に手配した運送業者等に室内の荷物を搬出させ、解錠技術者により鍵交換を行います。運び出された荷物は執行官の指定する保管場所に1か月程度保管され、借主が引き取らない場合には、処分又は売却されます。

家賃(賃料)を回収したい方へ

滞納されている家賃を回収するためには、いくつかの手段が考えられます。

任意手段による債権回収方法

これは裁判所を使わない手続きです。借主に対して賃料の支払いを求め、話し合い等により解決を目指します。話し合いが円滑に進めば、後述の手続きを経るよりも早く、安く解決できる可能性があります。

借主に家賃支払いを催告する際には、「内容証明郵便」を用いてなされることが多いです。内容証明郵便は、相手方に郵送した手紙の内容や配達が完了したことを記録として残すことができます。そのため、滞納賃料の催告と関連して、滞納を理由とする債務不履行に基づく賃貸借契約の解除の意思表示も併せて行う場合など、後日裁判の証拠として活用することもできます。

ただし、内容証明郵便は、借主の心理面をゆさぶるものとして効果的である一方、刺激することで態度を硬直させるおそれもあります。そのような場合は普通郵便の手段を採るなど、借主の性格を見定め、話し合いにより未払賃料回収の可能性が高い方法を吟味する必要があります。

法的手段を利用した債権回収方法

話し合いによる解決が難しい場合には、裁判所を用いた手続きによって家賃の回収を行うことになります。手続きとしては、いくつか存在しますので、どの手続きがご自身の状況では最適なのか、弁護士に相談することもよいでしょう。

少額訴訟

少額訴訟手続は、簡単に言えば、通常の民事訴訟を簡略化した手続きです。(民事訴訟法368条以下)原則として、第一回期日で審理を完了し、口頭弁論の終結後に直ちに判決が言い渡されます。そのため、非常に迅速な解決が期待できます。ただし、以下のような制限もあり、利用できる場合は限定されています。

  • 請求する金額が元本で60万円以内(利息がついて60万円を超える場合は大丈夫です。)
  • 一回の期日で判断されるため、複雑な事案や取り調べるのに時間がかかる証拠が必要な事件は取り扱えない
  • 相手方(被告)が反論した場合には通常の裁判手続に移行するので、場合によっては時間が掛かってしまう
  • 裁判所が相手方(被告)の生活状況等を踏まえて分割払いの判断を下すことが出来ますが、この内容について原告側では争うことが出来ない

そのため、請求額が少額の場合などには、有力な選択肢になります。

支払督促

金銭その他の代替物又は有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について、裁判所書記官が、債権者の申立てにより、支払督促を発する制度です。(民事訴訟法382条以下)ごく簡単に言えば、裁判所書記官が債権者の代わりに、債務者に対して請求書を送ってくれる制度ということです。

この制度は、債務者が債務の存在を争わない場合に、通常の民事訴訟より簡易かつ迅速に、債権者が債務名義を取得できるようにすることが目的です。最大の利点は、貸主が裁判所に出頭せず、また、証拠を用意しなくても発令され、借主から異議が出されなければ、通常の裁判で得る判決と同様の効果をもたらし、強制執行が可能となる点です。

しかし、借主からの異議が出されると、通常の民事訴訟の手続に移行することになっているため、債務者が争う姿勢を見せる可能性が高い場合には、最初から通常の民事訴訟を提起する方が適切です。

通常訴訟

裁判官が当事者の言い分を聞き、証拠に基づいて権利関係の存否を判断する手続きです。厳格な手続きのもと行われるため、言い分が対立している場合であっても、自分の請求権の存在が認められる可能性はあります。

しかし、他方で、解決までに比較的長期の時間を要し、訴訟費用など、費用面の負担も必要となります。

どの方法を用いて滞納した賃料を回収していくのが望ましいのか、置かれた状況によって千差万別ですので、当事務所の弁護士が具体的な事情をお伺いし、家主様に合った債権回収方法のご提案をさせて頂きます。

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