AさんとBさんとの間に、法律上の親子関係を認める場合について、民法は、自然血縁関係を基礎にする実親子関係と、養子縁組または家庭裁判所の審判に基づく養親子関係を定めています。
養子縁組には、普通養子縁組と特別養子縁組があります。特別養子縁組は、その効果として「実方の血族との親族関係が終了する」(民法817条の2第1項)こと、また、養子縁組の成立に家庭裁判所の審判が必要になる(民法817条の2第1項)点で、普通養子縁組と大きく異なります。
今回は、概要の説明にとどめます。
普通養子縁組をするためには、原則として、当事者の合意と届出が必要です。その他の要件としては、養親となる者が成年者であること(民法792条)、配偶者がある者が未成年者を養子とする場合には、原則として、夫婦共同で養親になる必要があること(同795条)という要件があります。
縁組の成立には、当事者の合意が必要ですが、養子となる者が15歳未満である場合には、法定代理人が養子となる者に代わって、縁組の承諾をすることができます(797条1項)。未成年者を養子にする場合には、家庭裁判所の許可が必要です(同798条)。
特別養子縁組をするためには、家庭裁判所の審判が必要となります(817条の2第1項)。審判請求時に、原則として、6歳未満であること等の細かい要件が決められています。特別養子縁組は、実方の親族関係を消滅させる方が子の福祉にとって望ましい場合に利用される縁組ですので、普通養子縁組よりも厳格な要件が規定されています。