私は、裁判所事務官(総合職、院卒者区分)の採用試験に合格しました。本年4月より東京地方裁判所に採用されることが内定しています。
思えば、この道に進もうと思った切欠や、採用試験に向けた対策といったものは、すべてアトラス総合法律事務所で働いていたことに通じていました。
最初、ここで働きはじめた時は、特に裁判所とのやり取りにおいてはFAXが不可欠に近いことに面を食らった記憶があります。
それが良いか悪いかは別として、仕事としてそういった事務の部分に触れていくにつれて、今まであまり気にしてこなかった裁判手続の細部に目が向くようになり、次第に自分なりの改善策を考えるようになっていきました。
そんな中、コロナ禍の影響でほとんどの裁判が中断となり、期日の進行が数か月後ろ倒しになりました。私も仕事上モロに影響を受けました。詳細は省きますが、この時に私の中でいろんな感情が渦巻き、裁判所事務官、特に企画立案する立場という総合職を目指すようになりました。
この採用試験については情報が少なく、特に面接・集団討論の対策はほとんどできませんでした。
ただ、蓋を開けてみれば、仕事で培ったものがそのまま対策になっていたのかなと思います。
法律事務所事務員の仕事は、法律相談を必要とする方からの連絡を第一に受け取り、前情報を整理したり、時には感情を落ち着かせたりといったことも要求されます。色んな方から複雑なご事情をお伺いする以上、その方に合わせた話し方が必要だと考えます。
面接や集団討論も、初対面の方との会話による情報交換を、時間などの制限の中で上手く行う必要があります。もっとも、要求されている能力は上述の仕事の内容と共通しているところが多いので、仕事の経験から自然と面接や討論の能力も上がったのだと実感しています。
あと、新谷先生はソクラテスメソッドに時間を割いてくださるので、より実務に近い学問(あるいは学問に近い実務でしょうか)を事務員に経験させてくれます。
ここには、特に法律に関する試験を受ける人にとって、「働きながら学ぶ」を実現できる環境があると思います。
管野晶人