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作成日:2020.05.21 最終更新日:2021.11.08

補助制度

 こんにちは。東京都千代田区神田にあるアトラス総合法律事務の原澤です。
今回は、補助制度について説明していきます。

 「精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者」が家庭裁判所による補助開始の審判を受けた場合、被補助人となります。(民法15条1項本文、16条、876条の6)これまで説明した成年被後見人(事理を弁識する能力を欠く常況)や被保佐人(事理を弁識する能力を著しく欠く)と比べると、本人には一定の判断能力が残されていることがわかりますね。そのため、補助制度では、本人の自己決定権の尊重の要請がより強くなるということになります。この視点が補助制度を理解するうえでとても大切になってきます。

 例えば、本人以外の請求によって補助開始の審判がなされる場合、本人による同意が必要となります。(15条2項)補助開始の審判がなされると一定の行為に制限が付くため、その制度の利用に関しての本人の自己決定を尊重しようということではないでしょうか。

 では、被補助人には生活上どんな制約があるのでしょうか。これについては、前回の被保佐人と同じように、特定の法律行為について同意を要することになります。そして、同意又はこれに代わる許可なくなされた行為は取り消すことができます。(17条4項)しかし、その態様が被保佐人とは異なります。

 まず、同意についてですが、特定の法律行為について同意を要する状態になるためには、「同意をしなければならない旨の審判」を受ける必要があります。(17条1項本文)つまり、当然に補助人に同意権が発生するわけではないということになります。興味のある方は、13条との規定の仕方と比べてみてください。
 また、同意を得なければならない行為の範囲にも違いがあります。前述の「同意をしなければならない旨の審判」によって同意を必要とすることができるのは、13条1項に規定する行為の一部に限られています。(17条1項但書)13条1項に規定する行為とは、被保佐人が同意を得なければならない行為のことです。つまり、単独でなしうる行為がより広く認められているということですね。
被補助人であっても、日用品その他日常生活に関する行為については単独で有効に法律行為をできる。また、遺言については、被補助人であっても単独で行うことができます。(962条)
 
 これまでは、補助される側について説明してきましたが、ここからは補助する側、つまり、補助人側に視点を移してみましょう。

 補助人は、前述のように家庭裁判所の審判により、被補助人の特定の法律行為について同意をすることができるようになります。そして、被補助人の行為について取り消したり追認したりすることができるようになります。(120条1項、124条1項)また、家庭裁判所の審判によって特定の法律行為についての代理権を付与されることがあります。(876条の9第1項)もっとも、ここについても本人の意思を尊重する趣旨が表れています。(876条の9第2項、876条の4第2項・3項)

 今回は、補助制度について説明をしてきました。次回は未成年について説明していきます。
 

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