こんにちは。東京都千代田区神田にあるアトラス総合法律事務の原澤です。
今回からは、平成30年7月に成立した「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」(改正相続法)について、数回にわたって説明していきます。
「相続法」とは、民法の第5編(882条~1050条)に規定されているものです。相続とは、ざっくりと言えば、人が死亡した際にその人の財産をどう扱うのかという問題です。みなさんも「相続分」、「遺産分割」、「遺言」などといった言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。(ちなみに「遺言」は、一般的には「ゆいごん」と読まれますが、法律上正式には「いごん」と読みます。)
少し詳しい方は、「特別受益」や「遺留分」なんて言葉を知っているかもしれません。これら相続に関係するルールを規定しているのが、相続法ということになります。
この相続法については、昭和55年に改正されて以来、大きな見直しがなされていませんでした。当時に比べると、平均寿命が延びるなど社会状況は変化しています。そのため、法律の内容が時代に合っていないなんてことも起こります。そこで、この間の社会経済の変化に対応するために、今回の改正が行われました。
では、具体的にどのような規定が、どのように改正されたのでしょうか。今回は、改正点の紹介にとどめ、次回以降少し詳しく説明していこうと思います。
改正の主な内容としては、①配偶者居住権の創設、②遺産分割制度の見直し、③遺言制度の見直し、④遺留分制度の見直し、⑤相続の効力に関する見直し、⑥特別の寄与の制度の創設があげられます。
次回以降、個々の制度について改正前後の比較等をしながら説明していこうと思います。
今回は以上になります。次回以降もよろしくお願いします。