建物老朽化(耐震性能不足)による明渡請求

賃貸物件が老朽化すると,耐震性能が不足し安全上の問題が生じるほか,市場競争力の低下に伴い,空室率につながります。

人が入居していなければ建物は老朽化が加速し,賃料が入らないばかりか修繕費用の増加や税金の負担が重くのしかかります。
また,税制面に着目すると,老朽化した賃貸物件をリノベーションや建て替え等を行うことは相続税の節税効果をもたらします。

このように,老朽化した建物をリノベーションや建て替えをするニーズが高まっている昨今ではありますが,ここで一番大変なのは,老朽化の物件に居住する借主との間で建物賃貸借契約を終了させ,立ち退きしてもらわなければなりません。

オーナー様はもちろんのこと,このような相談をオーナー様から受けた不動産管理会社の担当者様もいらっしゃると思いますが,実際に借主に賃貸物件を明け渡してもらうためにはどのようにしたらよいでしょうか。

法律上(借地借家法),建物賃貸借契約を終了させる場合には,①期間の定めのない契約の場合には建物賃貸借契約終了の6か月前に解約の申入れを借主に行い,6か月経過後に借主が建物を利用している場合には,遅滞なく異議を述べなければなりません。

また,②契約期間の定めがある場合には,契約期間終了前の6か月から1年以内に更新拒絶の通知を行い,契約期間満了後,借主が引き続き建物を利用している場合には遅滞なく異議を述べなければなりません。

加えて,①②いずれも共通して必要となるのが,解約申入れや更新拒絶にあたり,「正当事由」が求められる点です。
どのような正当事由が求められるかは,
1)貸主・借主双方が建物を必要とする事情,
2)建物の賃貸借に関する従前の経過,
3)建物の利用状況や建物の現況,
4)貸主が明渡しの条件として,借主に財産上の給付をする申し出をした場合にはその申し出(いわゆる「立退料」のことです。),
の4要素を総合的に考慮して,正当事由の有無が判断されます。
 
このように,裁判を通じて建物明渡しを借主に求めるとなると,「正当事由」の判断を行うために様々な資料を裁判所に提出し,これを裁判所が判断しなければならないため,裁判が長期化する傾向となっています(裁判が終わるまでに1年以上かかることは良くありうるものです。)。
 
老朽化した賃貸物件を早急に建て直すためには,やはり出来る限り借主と裁判外での交渉で納得して頂き,建物を明渡してもらうことが肝要です。 
 
その為には良好な人間関係を維持し,借主の経済的な事情も汲みつつ借主に説明を行わなければなりませんが,立退料の提示額や退去条件等をいったん誤まって伝えてしまうと,後で立退料を減額するなど,不利益な提案を撤回することは極めて難しくなります。

賃貸物件の立替の必要性を借主に理解してもらいつつ,立退料をなるべく抑えて交渉を進めるには,専門家である弁護士に依頼をされることをお勧め致します。

 

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