「遺産分割協議がうまく進まないけど、どうしたらいいだろう。」
「納得できない遺産分割を提案されている、ここから相続の手続きはどう進めたらいい?」
相続トラブルに遭ってしまったら、早期の解決を目指すためにも弁護士に相談をすることがおすすめです。相続の問題は弁護士以外の士業も相談に対応していますが、紛争の解決ができる弁護士なら、生前から相続開始後のトラブルまで、幅広い業務に対応してくれます。
では、実際に弁護士に相談する場合には、どのように選べばよいのでしょうか。そこで、今回の記事では、相続トラブルに強い弁護士の選び方と注意点について徹底解説します。
遺産相続のトラブルは弁護士に相談を
相続が開始されると、相続財産がある場合には、以下に挙げる2つの方法で相続人に分けます。
1.遺言書の内容に沿って相続財産を分ける
2.遺産分割協議を行い、相続人全員が合意した上で相続財産を分ける
遺言書がある場合は遺言書の内容に沿って分けることになりますが、遺言書が無く遺産分割協議を行う場合には、法定相続人全員の合意が必要です。
しかし、必ずしも相続人がスムーズに合意してくれるわけではありません。家族で大きな揉め事になってしまうことも多く、時には相続人の中に失踪している方が居るケースもあります。
もしも相続について円満な解決が目指しにくい場合には、早めに「弁護士」へ相談することがおすすめです。遺産分割を円満に解決するためには、調停や訴訟の検討も必要です。また、調停や訴訟以外にも、弁護士ならさまざまな相続のご相談に対応できます。
遺産相続に強い弁護士の選び方
では、実際に相続トラブルにおいて弁護士が必要となった場合には、どのように選ぶと良いでしょうか。この章では「遺産相続に強い弁護士の選び方」について、6つの視点から詳しく解説します。
【選び方①】遺産相続に関する経験・実績が豊富
多くの弁護士は相続問題を取り扱っていますが、得意分野として相続を掲げている弁護士ばかりではありません。依頼するなら、遺産相続に関する経験や実績が豊富な弁護士を選ぶことが重要です。
弁護士の多くは自身のHPや広告サイトなどに解決実績や依頼者からの声(お客様の声)を紹介しています。本当に多くの経験をこなしているのか、こうした媒体を確認した上で依頼しましょう。
【選び方②】相続税のことも配慮してくれる
相続の手続きにはいろんな期限がありますが、その中の1つに「相続税の申告」も挙げられます。相続税の申告は「相続の発生があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内」です。この期限にも配慮した手続きが必要であるほか、遺産分割協議がまとまらない場合には「法定相続分に従って取得したもの」と仮定して、各相続人が相続税を支払う必要があります。
また、相続税にはさまざまな控除があり、適切に相続税申告を行わなければ控除が受けられない場合があります。節税対策を行って相続税の負担を減らすためにも、相続税とその手続きに詳しい弁護士を選びましょう。
【選び方③】初めに着手金・報酬金について説明してくれる
相続について弁護士に依頼すると、弁護士への費用が発生します。弁護士への費用には、着手金や報酬金が必要です。しかし、金額については法律事務所や弁護士によって開きがあります。
相談の段階から、着手金や報酬金について説明してもらい、費用に関する不安をしっかりと取り除いてくれる弁護士に依頼しましょう。
【選び方④】自社サイトで相続に関する情報を発信している
弁護士の多くは法律事務所や個人サイトを通して、情報を公開しています。弁護士がどのような人物なのか紹介するだけではなく、相続を得意とする弁護士は法改正や最新動向、過去の解決実績や判例の紹介などを行っています。
相続に困っている方向けに、こまめな情報発信を行っている弁護士は、知識や経験が豊富であることが多いでしょう。
【選び方⑤】依頼者に不利な情報も指摘してくれる
弁護士は依頼者の利益のために奮闘しますが、依頼内容によっては不利な場合もあります。弁護士に依頼すれば、必ず「勝てる」ものではありません。真摯に依頼者にとって不利な情報も伝えてくれる弁護士に依頼をしましょう。
【選び方⑥】対応・返信が早い
人気も実力もある弁護士は非常に多忙ですが、依頼者への対応や返信にスピーディーに対応しています。相続問題は家族間で険悪な状態になりやすく、不安な気持ちを抱える依頼者も多いでしょう。
弁護士を選ぶ場合には、しっかりと依頼者に寄り添い、迅速な対応や返信を行ってくれる弁護士を選びましょう。
弁護士を選ぶ際に注意するべきこと
相続はトラブルが起きた時に弁護士に相談をすることが多いですが、近年では遺言書のサポートなどにも力を入れている弁護士も多く、生前から頼れる存在となっています。
では、実際に弁護士を選ぶ際には、どのような点に注意すればいいのでしょうか。この章では弁護士選びの際に知っておきたい注意点を3つ紹介します。
状況を細かく把握しようとしない
相続問題を解決するためには、現在の状況だけでなく、過去の家族関係にまで配慮する必要があります。
しかし、状況を細かく把握しようとしない弁護士は問題解決に不慣れな可能性があります。しっかりと相談の段階からアドバイスをくれる弁護士がおすすめです。
「性格が合わない」と感じる
弁護士にもいろんなタイプの方がいます。1人の弁護士と会ってみて、「性格が合わない」と感じたら、無理に依頼をしないことも大切です。無料相談会などを利用して、いろんな弁護士と会ってから決めることがおすすめです。
他の職種の専門家と連携がとれていない
相続は弁護士だけで問題が解決できるケースもありますが、相続税申告や不動産の相続登記、不動産の売却時には不動産会社のサポートを得る必要があります。多くの士業や業者と連携があると、「ワンストップ」での問題解決が可能です。
しかし、他の職種の専門家と連携がとれていない場合には、相続問題が思うように解決できない可能性もあります。
ですので、弁護士を選ぶ際には、提携している士業や業者がいるかどうかを事前に確認することが大切です。
相続問題を弁護士に依頼するのにかかる費用相場は?
相続問題を弁護士に相談しようと思うと、気になるのは「費用」でしょう。では、どのぐらいの費用を要するのでしょうか。
依頼後の弁護士費用は大きく3つに別れます。「着手金」・「報酬金」・「実費」です。
・着手金の相場
一般的に10万から30万 ※事件着手後は原則として返金はありません。
・報酬金の相場
経済的利益(※1)の10~15%程度 完全成功報酬制の法律事務所もあります。
・実費
出張や郵券、印紙など、実際にかかった移動費や事務手数料をまとめて清算します。
弁護士への依頼時には、必要な費用について見積もりで説明されます。不明・不安な点は依頼前に質問しておきましょう。
(※1) 経済的利益とは
弁護士が依頼を受け、交渉などの業務を行った結果、獲得や減額ができた利益について指す用語です。相続時の経済的利益は、相続財産の時価相当額です。
当事務所の費用は、ご依頼別に明記しております。
こちらをご覧ください。
弁護士に頼まなくても良いケースとは
紛争性がない(相続人の間で争いがないなど)ケースや、簡単な相続手続きで、法律の専門家のアドバイスが不要な場合は、弁護士への依頼する必要はありません。相続放棄も期限内でライトな内容であれば家庭裁判所のアドバイスを受けながらご自身で行うことも可能です。
また、相続税申告だけを解決したい場合は税理士へ、不動産の相続登記についてのみ依頼したい場合は司法書士への依頼も検討できます。
まとめ
今回の記事では、相続トラブルに強い弁護士について、選び方や注意点の視点から詳しく解説しました。弁護士は紛争のある相続はもちろんのこと、複雑な相続放棄の手続きなどについてもご相談に対応しています。相続に不安を感じたら、まずはお気軽にご相談ください。